聞きかじり見かじり読みかじり_202402

2024年2月分の聴きかじり見かじり読みかじりです。1月下旬〜2月下旬に印象的だったことばを随時追加していきます。

 

岩内章太郎『〈私〉を取り戻す哲学』

『武田砂鉄のプレ金ナイト』のなかのコーナー「砂鉄堂書店」で紹介されていた本を最近読んでいる。2024年1月19日放送回で紹介された岩内章太郎さんの『〈私〉を取り戻す哲学』という本。著者の体験や卑近な例示は読みやすいが、デカルトの考え方を用いて解説するところが難しい。ここはあとからまた読む部分、とふせんをつけて読み進めている。

情報にアクセスできず、他者と知りあう機会がない。ネットワークがどこにあるのか分からない。ふつうは、こういう条件が私たちを孤立させて、つながりの意識を希薄にするはずだ。ところが、この社会で現れているのは、接続の過剰から出来する疲労や孤独なのである。つまりそれは、つながっているがゆえの逆説的な隔絶の意識だ。

岩内章太郎『〈私〉を取り戻す哲学』P19

インターネットに無限の情報が集まっている。世界中の他者とつながる可能性もある。しかし、〈私〉は何を食べたいのかがよく分からない。手持ち無沙汰で暇だから、何かを食べようとしているだけである。ここで、いつでも食べるのをやめられるなら、これは健全である。退屈を持て余さないように、情報や関係性を適度に食べられているのだから。

ところが、たとえ食べることに飽きていたとしても、食べることをやめられない。食べていなければ気が済まない。楽しいはずの食が強迫観念にさえなっている。このサイクルから抜け出せなくなっているとすれば、これは一種の病とでも言うべきものである。この場合、〈私〉は飽食と食傷の悪循環にはまって、そこから逃げられなくなっている。したがって、純粋な量だけではなく、〈私〉がそれを制御しうるのかどうかが、問題の核心である。

岩内章太郎『〈私〉を取り戻す哲学』P24-25

〈私〉の外側の世界は見るが、〈私〉の内側の声は聴かない。他者と対話することはあっても、自己と対話することはない。慢性的な暇と退屈をはぐらかすために、いつもスマホを見ているわけである。こうして、希薄になってきているのが、〈私〉という存在である。果てしなく広がる情報や関係性のネットワークだけが存在していて、それをとりまとめる中心が不在になってしまったのだ。〈私〉のドーナツ化現象とでもいうべき事態である。

岩内章太郎『〈私〉を取り戻す哲学』P63

#95 岩内章太郎「〈私〉を取り戻す哲学」 - KODANSHA presents 金曜開店 砂鉄堂書店 (Spotify)

『〈私〉を取り戻す哲学』(岩内 章太郎):講談社現代新書|講談社BOOK倶楽部

 

杉田協士監督のインタビュー

——どういう時に心が折れそうになるのですか?

杉田:……自分が嘘をついてしまいそうな時でしょうか。例えばそれを映画らしく作ることはできるけれど、本心からそれを映画だと思えていなかったら、嘘をつくことになります。教育現場で映画制作を志している若い人達にもよく話すのですが、誰よりも自分自身がいいと思える状態の映画にすることを目指した方がいいです。嘘をついたらすぐに自分にはバレるから、実は最初の厳しい観客は自分自身なんです。

『彼方のうた』杉田協士監督が映画づくりで考えていること - TOKION


日本テレビ『おしゃれクリップ』(2024年1月21日放送)

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2024年1月21日放送『おしゃれクリップ』のゲストはハリセンボン近藤春菜さん。番組の終盤、相方はるかさんからのお手紙を山崎育三郎さんが代読されました。

はるか「春菜と色の濃い経験を重ねて来られたことに心からありがとうという気持ちです。なので、いつか私のチャームポイントである前歯が抜け落ちたらネックレスにして春菜にあげるね。春菜のツッコミが大好きなのでできるだけ長くハリセンボンが続いて年老いていけたら最高です。コンビでいてくれてありがとう」

(2024年1月21日放送 『おしゃれクリップ』)

 

『Mr. & Mrs. スミス』エピソード5 家族計画

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This tastes like freezer.(冷蔵庫の味だ)

カリーナ・エヴァンズ『Mr. & Mrs. スミス』エピソード5 家族計画

英語圏でも冷蔵庫の味っていう表現あるんだ!と驚いた。

 

照ノ富士関の優勝インタビュー

佐藤アナ「今場所は休場明けの場所ということで、今場所取っている中で感触としてはいかがでしたか?」
照ノ富士「そうですね、あの、去年優勝してから、怪我がよくならなくて。休場が続いていたんですけど。心だけ折れないように、日々頑張ってきたんで。よかったかなと思います」
佐藤アナ「今回は腰の怪我ということで、これまでとは違った苦労があったんではないでしょうか?」
照ノ富士「まあ、病気じゃないから。怪我は痛いだけなんで。はい。まあ、それをなんとか乗り越えてよかったなと思います」

(2024年1月28日「大相撲初場所千秋楽 横綱 照ノ富士 優勝インタビュー」該当部分:1:26-2:21)

大相撲初場所千秋楽 横綱 照ノ富士 優勝インタビュー (NHK)

怪我に対する照ノ富士の考え方が伺える瞬間だった。言葉選びがかっこいい。

 

フツーの恋愛、性愛ってなに?『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』刊行記念トークレポ

中村香住: そもそもクワロマンティックは、起源をたどると“WTF (What the fuck) romantic”っていう、「ロマンティックってなんだよ、くそ野郎」みたいな言い方がもとになっていたりします(笑)。

アイデンティファイするというのは、自分がどうやってそのラベルと距離を取って、そのラベルをどんなふうに引き受けたり引き受けなかったりするかということではあるので、他者がそんなに踏み込んで介入できるようなことではないんですけれども、一応概念としては、「クワロマンティックは、そもそも恋愛って何ですかと疑うこと」って説明するようにしています。

フツーの恋愛、性愛ってなに?『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』刊行記念トークレポ | me and you little magazine & club

 

TBSラジオ『バービーとおしんり研究所』(2024年2月6日放送)

TBSラジオで放送している『バービーとおしんり研究所』、2月のマンスリーパートナーは横澤夏子さん。番組エンディング、お知らせパートでの横澤さんのコメントが決まっていた。

バービー「最後になっちゃんから何か伝えたいことなどありますか?」
横澤夏子「ありがとうございます。同じ空の下、頑張っています。よろしくお願いします

(2024年2月6日放送 『バービーとおしんり研究所』該当部分:27:29-27:36)

Case.98:私…婚活してます!してました! 『バービーとおしんり研究所』(Spotify)

 

ニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』(2024年2月8日放送)

春菜「はるかは前もお話しましたけれども、ドリカム歌うときとけんかするときだけ喉が開くんですよ」
はるか「そうなんですよ」
春菜「それはいい加減にしてほしいですよ」
はるか「ネタのときはね、全然開かないんですけど」
土屋「できるんだよね、だから言ったら、できるはずなんだよね」
春菜「ネタのときなんて、漫才の第一声で痰が絡んでたりするのに、ドリカムのときはフワァ~って出るから」
はるか「漫才だとね、未来予想できないもんね」
春菜「いや、しなさいよ。笑ってもらう未来予想しなさいよ」
土屋「うまいこと言ってんじゃないよ、ほんとに」

(2024年2月8日放送 ニッポン放送『ナイツ ザ・ラジオショー』14時台 該当部分:18:21-18:52)

 

『母の友』3月号 高井祐子「忘れられない心の傷をいたわる」

つらい記憶が忘れられないのは、脳が関係しています。トラウマを経験すると、扁桃体の機能が高まり、前頭前野の機能低下、海馬が萎縮するなど脳の機能変化が起こります。本来、私たちは様々な情報を「忘れて」生きていますが、命にかかるような大変な出来事が起きると「忘れる」処理がうまくできなくなってしまうのです。

『母の友』3月号 特集「なんで忘れちゃうんだろう?」高井祐子「忘れられない心の傷をいたわる」P.30

特集「なんで忘れちゃうんだろう?」|福音館書店

 

テレビ朝日『有吉クイズ』(2024年2月11日放送)

有吉「紅白司会大変だな~どうしようかな~うまくできるかな~っていう緊張感よりも打ち上げあんのかな、打ち上げであいさつしなきゃいけないのかな~っていう、そっちのなんかこう、苦手感、苦手な方が先に立っちゃうんですよね」
(2024年2月11日放送 テレビ朝日『有吉クイズ』「紅白直前の有吉プライベート密着」)

 

カンテレ『千原ジュニアの座王』(2024年2月16日放送)

信子「あの~さ、うちさ、よしもとさんのボイスが付いてるLINEスタンプ買ったのね。そしたら、あんたの担当が『ダサー』と『何してんねん』だったのね。で、ボイス聞いてみたら、なんかすごいトガってんのか、やる気ないのか、分かんないんだけど、棒読みで何の感情も入ってなかったの。仕事だよ?」

信子「なんか~こう座王とかに出るたびに『ギャルは大喜利強いし、すがちゃんなんかもうええわ~』とか言って。でも結局飲み会とかに呼ぶのはすがちゃんじゃん。でもその飲み会で『お前おもんないな~』とか『大喜利下手やな~』とか言ってるらしいじゃん。楽しい?」

(2024年2月16日放送 カンテレ『千原ジュニアの座王』「放送300回記念1時間SP!西田&ベジータ&堂前&西森&さや香座王オールスターズ集結」)

 

TBSラジオ『バービーとおしんり研究所』(2024年2月20日放送)

番組エンディング、お知らせパートでの横澤さんのコメントが今回も決まっていた。

バービー「最後になっちゃんからお知らせなど何かありますか?」
横澤夏子「なんだかんだ楽しく生きてま~す
バービー「は~い!楽しいのが一番。ふふふ」
横澤夏子「ここっていつもなんかノリで喋っていかなきゃいけないというか、なんかすごいパワーに身を任せ、力技みたい」

(2024年2月20日放送 『バービーとおしんり研究所』該当部分:27:16-27:34)

Case.100:バイトのはなし!〜『バービーとおしんり研究所』(Spotify)

 

α-STATION FM KYOTO『FLAG RADIO』(2024年2月21日放送)

折坂悠太「えー記念すべき50回でございましたけども、普通にやりましたね。ふふふ。特にスペシャルなことはなく。でもあの、よく観ている番組はやっぱり私は通常回が一番好きなのでですね。子どもの頃とかなんか、特番だと『特番かよ!』って思うときもあるので。特番ももちろんいいんですけど。えー、通常にできてよかったんじゃないかと思います」

(2024年2月21日放送 α-STATION FM KYOTO『FLAG RADIO』 該当部分 54:25-54:53)

 

TBSラジオ『東京ポッド許可局』(2024年2月24日放送)

プチ鹿島「僕けっこう麻婆豆腐とか好きなんですけど」
サンキュータツオ「俺も好き」
マキタスポーツ「はいはい」
鹿島「うちの妻は豆腐嫌いなんですよ」
タツオ「ええ!」
マキタ「あら」
鹿島「”意味がないから”って言ってた」
タツオ「ええー!効率主義」
鹿島「なんかそういうこと言ってて」
マキタ「あの、口を使うだけもったいないってことだよね」
鹿島「なんかそういう、え?と思う価値観をぶっこんでくるんです」
マキタ「おもしろいな〜他者だなあ。身近にいる」
鹿島「他者でしょう?」
タツオ・マキタ「他者だなあ」
(2024年2月24日放送 TBSラジオ『東京ポッド許可局』該当部分39:15-39:36)