あらいあらすじ

朝、棚からミルクパンを取り出して、ロイヤルミルクティーを作る。ミルクパンを使ってのロイヤルミルクティーはかなり久しぶりだ。これはこないだスタバでオールミルクのティーラテが美味しかったのと、オードリー若林さんが自身のインスタグラムでロイヤルミルクティーを作っておられたのに確実に影響されている。

残り少ないと思ってミルクパンに注いだ牛乳の量は、自分が普段使っているマグカップの量より少し多かった。無理してマグカップのふちぎりぎりまで飲み物を注ぐ。コンロから机に移動するまでにこぼしたらいけないと思って、少しだけ飲み啜ってかさを減らそうとしたら、予想以上の熱さにむせて、口からもマグからもロイヤルミルクティーがこぼれる。こういうとき、無意識に「shit...」とか口走ってしまう。初めはその口なじまなさを楽しんでいたのに今では板についている。

昨夜寝る前に聴いたOfficial髭男dismの新曲「Universe」がとても好きな雰囲気の楽曲だったなと思い出し、Apple Musicで聴き返す。ドラえもんの映画の終わりに流れてきたら嬉しいだろうなあと想像する。A→B→サビの構成や役割がはっきりとしている。私は歌詞やメロディが沈むBメロが好きなので、たぶん最近のOfficial髭男dismの楽曲の中でも繰り返し聴くと思う。イントロを聴いた時にラストサビかアウトロでゴスペルクワイアが出てくるかと身構えたけど違った。

 

昨日の夜はあまりの寒さに風呂に入るのが億劫になって寝てしまったので、シャワーを浴びる。浴室にある無印のホホバオイルが凍っていた。今シーズン初めての凍結。寒い日にシャワーを浴びるときは、そろそろホホバが凍るんじゃないかとちらちらと気にしていたが、この大寒波によってとうとう凍結した。自分の中では桜の開花くらい季節の移ろいを感じる風物詩になっている。浴室では、NHK-FM青山テルマのアフタースクールパラダイス』を聴いた。新年1回目の放送の1曲目の選曲にしては暗いんだけど…と前置きしながら、Nicki Minaj「Regret in Your Tears」を流していた。そのあとゲストとして登場したCrystal Kayさんにも「暗い」と言われていた。

 

午前中、皮膚科に行ってにきび用の薬を処方してもらう。病院でさえレビューされる時代。今行ってるところは、悪口を書いている人が比較的少なくて、概ね肯定的なレビューが並んでいる。ただ、自分がこれまで二度行った際にお客さんがぱらぱらとしかいない。前回、診察してもらって薬を貰うまではものの15分くらいだった。今日は土曜の午前だったので混み合うかなと思っていたけど、医院に到着したときにちょうど入れ違いになった人以外にお客さんはおらず、医院に入ってから薬を貰うまでの所要時間は前回よりも5分縮んで正味10分くらいだった。こんなに人がいないのに、一体誰がこの肯定的なことばを寄せているんだろうかと疑問に思う。そもそもこの「肯定的なレビューが多いということは混み合っている」という考え方自体、食べログだったりGoogleマップなどのレビューに引っ張られすぎているなと思う。

 

午後、図書館に立ち寄る。勉強の合間に、最近返却された本のところにあった新胡桃『星に帰れよ』を読む。面白かった。主要な登場人物が3人いて、そのどの人たちも善意と悪意や、愛情や侮蔑の感情を混濁させていて、分かったように振る舞うことにも、分からないことを自分の外のものだと落とし込むことにも拒否を示しているようだった。作者の新さんの態度が登場人物のキャラクターを通して描かれているようで、興味深く感じた。

出版は河出書房新社。遠野遥『破局』と同じ。100ページちょっとで1時間くらいでさらっと読める分量だった。漫画や音楽や映画も莫大な量が提供される中で、1日にそれぞれに充てられる時間は限られている。他と比べると今はページ数も多くなく、文字も大きめということの慣れなさはあるものの、そのことに少し安堵する自分もいる。本もこれまでのような長さからこれくらいの長さが一つのスタンダードとして確立していくのだろうかとかぼんやり考える。

冒頭部分が上記のページで読めます。

 

河出書房新社のホームページに新胡桃さんと島本理生さんの対談が載っていたので読む。

新「最初のほうは恋愛ものにしようと思いながら書いていたんですけど、それってちょっと素直じゃないな、気持ち悪いなって思っちゃって。真柴とモルヒネを何とかしてくっつけようと思えばいろいろ回り道しながらできたかもしれないんですけど、それは違うなって。違う人間だから、違う人間のまま、隔たっていてほしかったんだと思いますね。」

新「私は無神経な男の人が、たぶん好きだけど嫌いで、でも好きなんですよ。実際傷つくけれど、そこに対してほとんど中毒みたいになっていて、会ってる間は自分の価値がめちゃくちゃ下げられてる感じがするのに、出ていかれるとめっちゃ悲しくなる、みたいな。」

 

私はあらすじを話すのが下手だ。誰かに最近読んだ本や漫画あるいは最近観たテレビ番組や映画について話すときに、その概観をうまく伝えられない。乱暴には言いたくないという気持ちが強すぎて、いつもすごくミクロな話ばかりしてしまう。

書けないことを正当化する内容にはしたくないのだけど、今朝TVerで『夢中さ、きみに。』の第1話を観たときに、あらすじがそもそも苦手だなと感じる瞬間があることに気づいた。それは番組の最後に挿入されたCMパートでのことだった。二階堂明役として、出演している高橋文哉さんが自身の演じるキャラクターについて説明していた。

高橋「TELASAをご覧のみなさん、こんにちは。ドラマ『夢中さ、きみに。』二階堂明役の高橋文哉です。ドラマ『夢中さ、きみに。』はですね、バカっぽくも浅はかな男子高校生日常を細やかに、とてもシュールに描いたドラマとなっております。僕が演じる二階堂明という役はですね、女子からモテ過ぎて平和な学生生活を過ごしたいと思い、なんと陰キャラへと『逆・高校デビュー』を果たすという役どころになっております。ぜひ注目してください。」

このCMに触れた瞬間、そうかもしれないけどそうじゃないと思った。キャラクター像を短くまとめるがゆえの乱暴さに、ドラマを視聴した30分間が損なわれた気分になった。なにかを紹介するときにどういう風に伝えたら、自分が嫌じゃなくて、同時にその作品の魅力も伝えられるかということは今後も考えていきたい。

 

今年の目標の一つに広げて積み重ねた関心を絞ることがある。普段使っているアプリやサービスも長らく使っているがゆえに、それだけ蓄積もされている。例えば、Apple Musicのプレイリストには自分が2015年頃から作り続けてきたと思われるプレイリストが溜まっている。それは例えば、その月聴いていた曲とか、誰かとカラオケに行くにあたりこれは歌おうと考えたあとのようなプレイリストだったりする。

2015年といえば、その当時からストリーミングサービスは使っていたけど、ストリーミングとCDレンタルを今よりも併用していた頃で、西暦と日付のあとに「レンタル」とか「ツタヤ」といったかたちでレンタルしたものが分かるようなプレイリストも作られていた。このプレイリストがあることで、その当時に興味があったアーティストや楽曲がそれとなくわかるが、改めて聴き返すようなことはない。消してしまうのはなんとなく惜しくて今まで残したままにしていた。だけどいい加減消さないと毎回のプレイリスト作成の際に、自分が選びたいプレイリストを選択するために、いくらスクロールしてもたどり着けないことが常になっていた。今日は思い切ってそれらのデータをExcelにコピペし、Apple Musicから削除した。

 

晩御飯に出前館を使ってピザを注文する。トマトとバジルを使ったピザに欲張ってチョリソーを追加トッピングしたら後半くどかった。トマトとバジルだけでよかったなと後悔しながら胃もたれがしてベッドに横になる。だらしがない。そういえば今朝皮膚科に出かける前、目薬とリップクリームを小物入れに入れるとか、ポケットにハンカチを入れるとか、そういう流れの中に日焼け止めを塗っておくという動作ができた。こんな寒い冬の日にあれはなかなかできたもんじゃないな、我ながらえらかったなと思いながら、Disney+で『カーズ』を観ながら寝落ちする。