共通点と相違点

9/22

 午前中、K野さんがうちにホットサンドメーカーを持って遊びに来てくださる。先日おみそはんの動画で紹介されていたドライいちじくとクリームチーズのホットサンドと、K野さんがホットサンドメーカーを購入されてこれまでに作ったことのあるベーコンとチーズのホットサンドを作ってくださった。僕も何か付け合わせになるものを準備しようとかぼちゃのポタージュを作る。うちにはホットサンドメーカーもなければ、トースターもない(正確にはオーブンレンジに片面ずつパンを焼く機能があるけど面倒に感じて使っていない)ので、家で焼いたパンを食べられるのが嬉しかった。2種類のホットサンドはどちらも美味しかった。

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 K野さんと一度解散。午後、再び待ち合わせて、K野さんの枕選びでショッピングビルのクレドとロッツを巡る。クレドにはビームスやノースフェイス、コロンビアなどのアパレル・アウトドアショップや、紀伊国屋書店などが入っている。他方、ロッツにはFrancfrancやSeria、スターバックス、LOFT、無印良品ニトリがテナントとして入っている。私は紀伊国屋書店が好きなのでどちらのショッピングビルも同じくらい利用するが、総合力でいえばロッツのほうに軍配が上がる。実際、お客さんの数もロッツの方が確実に多い。K野さんはクレドにはあまり立ち寄らないらしく、クレドはお客さんよりも店員さんの方が多いと持論を展開していた。たしかに、クレドは買い物の目的がはっきりしていない場合、ふらっと立ち寄りにくい。そのためにどんなお店が入っていればいいかというクレド立て直し計画を二人で妄想する。無印や百均やカフェが入っていればなんとなく立ち寄るのではないかという話になる。妄想の途中からクレドに人格が付与されて、プライドが高い、融通がきかないなどよく分からない話にまで広がる。

 妄想話をあれこれしながら、本来の目的であったニトリへたどり着く。K野さんがもともと候補に挙げていたまくらは、厚みを調整が細かくできることがセールスポイントの商品だったが、実際のものにあたったら、調節が意外と面倒くさいこと、調節して使用しなかったパーツの管理が面倒くさそう(無くしそう)ということで選択肢から外れた。代わりに、当初候補には全く挙がっていなかったまくらが購入予定の品となった。ただ、その商品は人気なのか在庫が店頭に一つもなかった。そのことからこのまくらがいいと思ったのは、そのものがいいと思ったのではなく、「在庫がない」という人気の裏打ちがあるからいいと思ったのではないかという話になる。私たちはないものねだりだというテーマに話題が拡大する。

 ロッツはニトリのエリアが2階分あり、そのうちの1階には生活用品などの比較的小さめの品が種々様々に陳列されていて、もう1階の方にはソファやベッド、棚などの大きめ家具が陳列されている。大きめの家具が陳列されている階でしなくてもいいのにソファの座り比べをする。初めはデザインや素材重視で、布素材のものがいい、革素材のものはなんとなく嫌だという話をしていて、その流れからこの素材・デザインのソファを置いている人は○○といった偏った考えの話をする。たぶん二人とも先日までテレビ東京で放送されていた『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』を観ていて、それに少なからぬ影響を受けている。

 店内を一周したあと、どういう流れだったか、1周目のときにどちらかといえば否定的な意見が出され、座ることなく通り過ぎたソファに座ることになった。これが予想していたよりもずっと座り心地がよかった。たとえ一見自分の嗜好に合うものでなくても、実はすごく居心地がいいこともあるのだと身をもって体感する。先に挙げた『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』の中でも、そのメッセージが最終話に打ち出されていた。それまではおしゃれでない家を認めず、おしゃれな家のみに憧れていたおしゃ子さん。最終話で市原隼人さんの部屋に上がる。その部屋には、LDH系のグッズやフェイクファー、アニマル柄の布、床に直置きされた酒瓶が並んだサケテリアなどが飾られていてそれを見つけるにつけダメ出しばかりしていたが、肩肘張らない正直な部屋におしゃ子さんは次第に居心地の良さを見出す。今回の革製ソファについても、そういうことではないかと二人とも感得する。ちなみに二人とも松虫あられ先生『自転車屋さんの高橋くん』に登場するマイルドヤンキー高橋くんの距離が近いスキンシップにうろたえている。途中までは革製ソファを購入する人の話だったのに、いつの間にか革製ソファに人格が付与されていた。

 この話題が二人とも気に入り、その後甘いものを食べようと移動して入ったカフェでも何かにつけてさきほどのソファの話を持ち出した。たぶんこれからもこの手の「共通点と相違点」という話題になったときに、二人とも得意になって持ち出す例え話になるだろうことが予見された。

 明日からまた仕事が始めることを憂い、私たちを持続化させるために自分への持続化焼肉給付金が必要だという話になって、金曜夜に焼肉を食べることにして解散する。