【雑記】親指を隠す

 2/5(水)、今朝の夢は仕事中に職場を抜け出して健康診断に行く夢だった。デスクから抜け出したのはお昼休み終わりの5分前くらい。診断が5分で終わるはずもなく、待合室で時計を見ると午後の始業からすでに10分が経過している。トイレに行っていたと適当なことを言って戻るにしても午後一にしてはやや長い。自分の戻りが遅いことについて上司も少し気がかりに思い始める時間の長さだ。本当であれば当日までに、もしくは遅くとも午前中に「今日お昼に健康診断に行きます」と上司に一言言えばよかったのにそれをしなかった。どうせすぐ終わるだろうし、諸々終わった後に健康診断に行ってましたと言えばいいじゃんとやりすごそうとしている自分のずるさというか、見通しの甘さがやけにリアルだった。お前そういうぐずぐずなところなんとかしたいとずっと思ってんだろうと夢の中の自分にメタ的な視点で静かな怒りが渦巻く。

 夢から抜け出して6時起床。出勤まで時間の余裕があってほっとする。いろんな場面で強引に切り抜けたり、なんとか逃げ出せないかというのを常々頭の片隅で考えているのが夢で露呈していた。

 仕事終わりに自宅の郵便受けを覗くと、母とブログ友達の生活先生からお手紙がそれぞれ届いていた。生活先生の筆跡が柔らかくて素敵だった。嬉しかった。

 夕方、K野さんとうちで晩ごはんを食べる。この日は牛丼チェーン店の食べ比べした。僕がすき家、K野さんが吉野家松屋なか卯を担当して持ち寄る。自分の好きな牛丼の順番は松屋なか卯すき家吉野家。K野さんは松屋が最下位だった。肉に関して僕は噛みごたえを重視しているのに対して、K野さんは柔らかさを重視されていた。

 今日の話題の中で強く印象に残ったのは百均で売っているハッピーターンの話。百均のハッピーターンは個包装されていないタイプのもので、そのほうがK野さんは好きだという話をしていた。理由は個包装されているタイプのものは、無意識のうちに大量に食べてしまった後に空の包装フィルムを見ることによって落ち込むからと言っていた。自分はハッピーターンはそこまで好きじゃないけど、カルパスとかは好きなので共感した。

 K野さんが帰られたあと、レンタサイクルでTSUTAYAへ。SexyZoneのアルバム『POP×STEP!?』を買う。通常盤。店頭では最後の一枚だった。なかなかCDが売れない昨今だろうから、予約重視であまり在庫は抱えないのかなと思う。通常盤はCD2枚組。1枚目は共通のアルバム、2枚目にはメンバーそれぞれのソロ曲が収録されている。chelmicoがプロデュースした楽曲が2枚目のディスクにしか収録されていなかったので通常盤にした。これまでSexy Zoneのアルバムはレンタルして聴いていた。昨日放送していた菊池風磨さんが出演された『相席食堂』の動画をツイッターで好奇心で観てしまったのを猛省して、レンタルではなく初めて購入した。

 自分はバラエティ豊かな楽曲プロデュース陣とアーティストとが混ざり合うアルバムが好きで、今回のアルバムはまさにそういう系統の作品だった。(SMAPももいろクローバーZ私立恵比寿中学Negicco坂本真綾さん、豊崎愛生さんなどもそういう傾向で好き)

 Sexy Zoneの歌詞には、既存の枠組にとらわれない選択肢の提示、自分らしく生きること、未来志向かつ現状肯定といったテーマがどの楽曲にも打ち出されているようで励まされる。本アルバムの軸になっている「極東DANCE」「麒麟の子」、Sexy Zoneの強みを生かした「恋のモード」(前作『PAGES』2曲目「恋がはじまるよーー!!!」の系譜)「禁断の果実」(遊び心のあるポップな歌謡曲)「タイムトラベル」(神々しいサビのファルセットユニゾン、打ち上げ花火かと聴き間違うような深いドラム)「Blessed」(菊池風磨さんの甘美な声とKai Takahashiさんのメロディーラインとの心地いい親和性)「Tokyo Hipster」(三浦徳子さんの自由で豊かな作詞)、優しい楽曲「○△□」「MELODY」「それでいいよ」と好きな楽曲が続く。

 アルバムを締めくくる「HIKARI」には1楽曲の枠を飛び出してアルバム全体の歌詞の捉え方をひっくり返すような一節があってびっくりする。

いつも話してた君とは僕だったのかい?

そうなの? 何か答えて!

Sexy Zone「HIKARI」より

  2枚目のディスクに収録されたメンバーのソロ曲は、R&Bが大きな軸になっているように感じた。クレジットを見たら、作詞をそれぞれのメンバーが担当されていてここでも驚く。佐藤勝利さんの「Show must go on」は、最近聴いたアイマス楽曲の中でも特に好きだった「夢をのぞいたら」の佐伯youthKさんがプロデュースしていた。マリウス葉さんの「all this time」ではママはこう言ったという王道フレーズに加えて、パパはこう言ったというフレーズが続いて思わず頬が緩む。

POP × STEP!?[通常盤](特典なし)

POP × STEP!?[通常盤](特典なし)

 

 

  2/6(木)、この日は休日出勤の振替で休み。朝一でTOHOシネマズ岡南に行き、今泉力哉監督『his』を観る。突然やってきた渚さんが白川町にするすると馴染んでいく様子と、そこに一定の距離を保ちつつ、じっくりと関係を構築しようとする迅さんとが対照的に描かれる白川町内会の寄り合いの場面が印象的だった。

 なかなかその輪の中に入れずに迅さんがたじろいでいる場所は本棚の前だった。本は迅さんが渚さんから影響を受けたものでもあって、渚さんから別れたあとも自分の精神的なよすがになっているものでもあった。「誰かと出会って影響を受けるのは人生の醍醐味やでな」という緒方さんの言葉が鑑賞中ずっと片隅に残る。終盤、迅さんが町の人たちに自分のことについて打ち明けるシーンがあって、その宣言をする場所もまた本棚の前だった。意図的に場所を重ねたその演出がよかった。

 二人の関係をどう定義するか、玲奈さんや空ちゃん、吉村さんなどの第三者がいることでじゃあ何だろうということになるところも印象的だった。また、地方が舞台なので距離を伴う移動はたいてい車。最寄駅からの送り迎えも車移動。同乗者が誰かによってできる会話がその都度制限されていた。そういう描写は車が登場することで顕在化する技法だなと思う。

 帰り道に「うさぎや」に寄る。山陽を中心に展開する文具専門店。地元の文具店でよく読んでいたフリーペーパー『Bun2』を持ち帰る。店員さんにもらっていいですかと伺うと、袋に入れましょうかと気遣いの言葉をかけてくださって嬉しかった。お礼を言って断る。こういうときに備えてリュックにはいつでもハードタイプのクリアファイルが入っている。

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うさぎやにあったホスピタリティのあるキャスター

 お昼に家で過ごしているときに、無意識に左手親指の爪を噛んでしまう。ハンドクリームを塗ったりしてごまかす。けどひりひりして痛む。後悔する。

 夕方、図書館に寄って本を借りる。爪を噛んでしまったので意識的に親指を隠している。

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 夜、高松美咲さん『アメコヒメ』を読む。『スキップとローファー』2巻を読んだあとに、何か他の作品があれば読みたいと思って注文したものの、読まないまま溜めていた。3巻が今月の21日に発売されるのを先日知って、本棚から取り出しフィルムを剥がして読む。重たいテーマだったが、ある人からすれば一瞬の行為がある人にとっては一生つきまとうことになりかねるということが多層的に展開されていた。

アメコヒメ (ふゅーじょんぷろだくと)

アメコヒメ (ふゅーじょんぷろだくと)

 

  セブンでバニラ香るクッキーサンドを買う。食べ終わった後に、『his』の「誰かと出会って影響を受けるのは人生の醍醐味やでな」がまた思い出される。クッキーサンドアイスはそういえば好きだった人が好んで食べていたアイスだったと思い出す。以前だったらここでなんか酸っぱい気持ちになっていたけどちょっと前からは何とも感じなくなってしまった。アイスは甘くて美味しかった。

 

 2/7(金)、仕事終わりに『暮しの手帖』の野菜スープの法則という特集に載っていた角切り野菜の塩味スープを作る。まず、にんにくをごま油でしっかり揚げてうま味を引き出す。そのあとに角切りのたまねぎ、さつまいも、キャベツ、えりんぎを加えて、塩を振り、野菜のうま味を引き出す。それからゆっくり煮込むと美味しいスープができるらしい。仕上げの塩を控えめにしたら、野菜から出る甘みとのバランスが全然取れてなくて締まりのないスープになる。みそ汁でもみそを控えめに入れて同じことになることがある。塩をさらに加えて味を調整する。

 レイトショーでローリーン・スカファリア『ハスラーズ』を観る。予告が始まっている時間に劇場に入る。今日の映画館は自由席なのでどこに座ろうかと照明が落ちた劇場のあたりを見渡すと自分以外誰もお客さんがいないことに気づく。貸し切りハスラーズ。劇中、カフェでラモーナとデスティニーが話すシーンが印象的だった。デスティニーがラモーナとの関係を切ろうとする気持ちを汲み取り、その0と1で考えてしまうデスティニーに理解を示した上で「今はやめて」と告げたシーンがグッときた。