えっちらおっちら運鈍根

2024年2月2日(金)

寝起きに考え事。想像するのは寂しいことだけど、もしハリセンボンチャンネルの最終回があるとしたらよく動画を撮影されている壁に人工芝の生えたあのスタジオで「ともだちのうた」を歌ってほしい。2番から小松さんと鹿島さんが合いの手で入り、間奏ではるかさんがけん玉の灯台を披露します。

アンさんが晩ごはんを一緒に食べようと誘ってくれてキッチンでごはん。アンさんの指示のもと、私はパスタを茹でるなどの調理や洗い物・拭きあげをサポート。この日のメニューはセロリとしめじと鰯を使ったパスタ、豆腐サラダ、オニオンスープ、おからパウダーを使った唐揚げ、いちご。プチトマトといちごは私が持ち寄った。そのほかはアンさんがすべて準備してくれた。

今回のパスタは、既製品のパスタソースにセロリ、しめじ、鰯を加えてさらに豪華なパスタソースにしようとアンさんが画策されていた。完成しているものに食材を加えようというひらめきが私にはない。気になってアンさんにどうしてこのアレンジにたどり着いたのか尋ねると、パスタソース箱の裏の成分表を見てセロリと鰯を入れてもベースが崩れないこと、セロリとしめじを入れたら食感をプラスされ、鰯でより旨味がでるだろうと考えたらしい。既製品の持ち味をより引き立たせるためにどうするかを私は考えられないので、そのひらめきに言葉をのむ。あまりに想像の及ばないことを一気に教えてもらうと私は黙ってしまうのだと知る。

豆腐サラダのドレッシングも創意工夫が凝らされていて、カルパッチョドレッシングと中華ドレッシングをブレンドしていた。その発想がそもそもない。これは料理をどれだけ日常的しているかとか、手元にない食材や調味料をどう補うかという観点だけじゃなくて、既存のものをどう組み合わせていくかという観点を持ち合わせていないと出来ない。言葉をのみながら、ときおりすごい…と感嘆するばかりだった。

オニオンスープはキューブタイプのものにお湯を注ぐ。アンさんがお湯の量をストップさせる意味で「さすがに」と私に合図してくれた。さすがに(もう大丈夫)の意味。制止のボキャブラリーとして新しい。

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全部の料理がおいしくて幸せな時間だった。そのことを自分のボキャブラリーを捻り出して伝える。パスタソースについては、今世はこのパスタソースですごくおいしいけど、来世だったらこのメンバーでスープにしても絶対おいしいとか、なるべくほかの人が言わないだろう賛辞を考える。おどけたふうになっちゃっていたかもしれない。

ご飯を食べながら、Duolingoで勉強している中国語に関して質問する。最近勉強しているのは「家族について形容詞を交えながら紹介する」という項目。その中で「◯◯さんは背が低いですか?」と尋ねるときに「矮不矮(ǎi bù ǎi)」と表記することがしばしばある。どうして形容詞が1つではなく、形容詞2つを使って、しかもそれで否定形を挟むのかよく理解できなかったのでその点を教えてもらう。どうやら中国語には反復疑問文、つまり「低いですか?低くないですか?」という疑問文のかたちがあるらしい。知識が記憶に背中を押されてぎゅっと結晶化される。

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中国語 文法 反復疑問文:解説

その後もキッチンから談話スペースに移動しておしゃべりを続け、3時くらいに解散する。おしゃべりの間、アンさんが携帯で柴田聡子さん「素直」を2時間くらいBGMとして流していたのですっかり馴染みの曲になった。解散してお風呂に入る。部屋に戻ってから、Devin Morrison『Dream Lobby, vol. X』を聴いた。2022年から不定期でリリースされているインストのプロジェクトEPの第10弾。星野源「光の跡」リリース時から、このインストシリーズの音の質感と似ているな〜と感じていて、今回のEPの1曲目も近さを感じた。

[Spotify] Devin Morrison - Bom Dia

寝床で『ハマダ歌謡祭』を観る。近藤春菜さんと野呂佳代さんがNiziU「Step and a step」をカラオケをしていたのでそこだけ観た。『ハマダ歌謡祭』は阿佐ヶ谷姉妹近藤春菜さんと野呂佳代さんが共演することで(なんてプレシャスな瞬間…!)と感じる映像が毎週のようにごろごろ出てくる。『Roomie Roomie!』での春菜さんと野呂さんの共演が最高だったのでもっと二人のやりとりをみたい。4時半くらいに寝た。

 

2024年2月3日(土)

9時くらいに起きる。昨日寝るのが遅かったのでしょうがない。昨夜のアンさんとの会話を寝床で反芻していると談話室で話す様子がメタ的に思い起こされ、その映像にMitski「My Love Mine All Mine」がBGMとして添えられて再構築される。もう少しこの直感を掘り下げる。楽曲のテーマも昨日の私たちの会話に近いように感じたし、Mitskiの発音や低音の歌い方も以前大晦日に聴いたアンさんの歌声と共通点があると感じた(ときに子音t, thの柔らかい発音がお二人に共通していると感じる)。アンさんにカバーしてほしい曲。自分の中でしまっておこうか迷ったが、昨日の話を通して、お礼はまた会ったときにするのもいいけど、折に触れて連絡するのもこれまた嬉しいと思って、アンさんにメッセージを送った。Mitskiの楽曲もおすすめした。メッセージを送ってからしばらくしてから結びの言葉を教えてもらったZion. Tの楽曲を踏まえた「우리 행복하자!(へんぼっかじゃ、ウチら幸せになろうね!の意味)」にすればよかった!と思ったが、その時機は逃した。惜しいけど次こういうチャンスがあったら私は絶対逃さず言えると思う。

[YouTube] Mitski - My Love Mine All Mine

[YouTube] Zion.T(자이언티) - Yanghwa BRDG(양화대교)

『母の友』を定期購読したいと昨年末から考えている。この日はその思案を進める気分になってFujisanの購入ページへ進む。購入手続きの途中のページの性別欄に男女しかなかったので、だるすぎると思って手続きを途中でほっぽり出す。そういえば、こないだ行ったハリセンボンのトークライブのアンケートも回答欄に男女しかなかった。アンケートの最後の自由記入欄にほかの選択肢があったら嬉しいことを書いた。ハリセンボンのお二人なら当てはまらない人/当てはめたくない人がそれぞれいるだろうと一緒に考えてくれそうな気がした。緊張しながら祈るような気持ちだった。

今日は尊敬する柳原可奈子さんのお誕生日だったのでポッドキャストにメッセージを送った。

ゴーストワールド』を観たときに予告編で気になったバス・ドゥヴォス監督の『Here』『ゴースト・トロピック』を窓口でそれぞれ座席予約する。前売券を購入していた関係でオンライン予約ができず、窓口で久しぶりに手続きをした。

映画まで時間があったので青山の方まで歩く。移動途中、宮益坂のところにビッグイシューの販売員の方がいたので、声をかけてバックナンバーを1冊購入する。やよい軒でお昼ごはん。ちゃんぽんと唐揚げのセット(わんぱくセット)を頼む。青山学院大学前店に行くたびにバイト募集のポスターに書かれているホールのメリットが変だと気になる。

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ホールのメリット
・人と話すのが好きな方
・油で手が汚れるのが苦手な方

メリットの意味が私が思うものとなんかだいぶ違う。一つ目はメリットではなくホールに向いている人について説明しているし、二つ目はメリットではなくホールとキッチンを比べたとき強いていえばホールのマシなところを伝えている。一つ前の日記に書いたTOEIC Part2の応答問題みたいにちぐはぐだと感じる。

桃林堂であんこのお菓子を買おうと思って立ち寄る。木魚の下に敷かれたぼってりとした座布団みたいな形の「あん玉」という小豆のお菓子がおいしそうだったので一つ購入する。紙袋に入れてもらっている間にお店の方から「これおいしいですよ〜」と言われたので、あん玉の形状が座布団みたいでかわいいと伝えると(さすがに初対面の人に木魚の座布団みたいとは言わなかった)、それはディスプレイの商品が重力のせいで縦に潰れているだけで、本当はまんまるであると指摘が入る。ばつが悪い。お店を後にして歩き出そうとすると、桃林堂のガラス壁面に「バレン鯛ン」と書かれた掲示が目に入る。このお店はたしかミニたい焼きが人気だった。隙あればなんでもビジネスチャンスだな〜と感心した。

山陽堂書店に行く。これまでお店の前しか通ったことがなく入店するのは初めて。お店の外観から考えてそれほど大きな書店ではないだろうと思っていたがその予想以上にコンパクトだった。通路に一人でも人がいたら後ろを通りにくかった。水星さんと『彼方のうた』を観に行ったときに、主人公の春さんが時おり手伝いをされている書店の通路が狭いことを話したが、あれくらいの幅だった。店頭の棚の真ん中に置かれていた岡真理さん『ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義』を購入する。本にカバーをつけてもらったらデザインがかわいかった。和田誠さんがデザインされらしい。夕方映画を二本観る。

帰宅。キッチンで『IPPONグランプリ』をTVerで聴いたり観たりしながら調理。松本さんがいないことで個人的にはかなり観やすかったと感じた。松本さんがいないことをへらへらするバカリズムさんがちょっと嫌だった。『パンサー向井の#ふらっと』や『むかいの喋り方』での向井さんも松本さんについてはへらへらしていてそれも嫌だと感じる。アンさんからもらったスパイスが漬け込んである鶏もも肉をノンフライヤーで焼いて、クッキーを焼いて、サラダスピナーでレタスをサラダ用にタッパーに分ける。洗濯機を回して寝る。

 

2024年2月4日(日)

8時半に起床。昨夜回した洗濯物を干す。天気があんまりよくない。TWICE「I GOT YOU」を聴く。アイドルグループのおけるキャリア前半の雰囲気の曲ではないよな~と思う。と同時に、もしやこの曲って2クールアニメの17話くらいから始まる後半OPの雰囲気にぴったりなんじゃないかと思って「2クールアニメの後半OPっぽい曲」プレイリストに追加する。まだうまく2クール目っぽい楽曲について言語化が上手にできていないのだけど、この着想は『とらドラ!』2クール目の堀江由衣さん「Silky Heart」が自分にとっての模範解答例で、1クール目OPと比べて(1)メロディーがキャッチーさよりもシリアスさを優先していること、(2)Aメロが出だしからクール、(3)ビートがメロディを統制する、(4)Aメロ~Bメロ~サビがスムース*場合による、が思い浮かぶ。「I GOT YOU」もこの4つを満たしていると思う。

[YouTube] TWICE - I GOT YOU

[Playlist] 2クールアニメの後半OPっぽい曲 - Apple Music

日中は買い物や読書をして帰る。最寄駅が混んでいて、エスカレーターの左側に寄れず。右側で立ち止まってたらエスカレーターを上がり切ったところで後ろにいたであろう人に肩でぶつかられて追い抜き際に睨まれる。落ち込む。普段はエスカレーターの左側で止まることが多いが、やむ追えず右側に乗らなければいけないときは右側であっても立ち止まるようにしている。今日みたいな悲しいことがあっても辛抱強く続けるしかない。えっちらおっちら運鈍根。去年の秋に水上公園さんと会っておしゃべりしたときに右側に立たざるを得ないことがあっても勇気を持って立ち止まろうと話したのを思い出して、水上公園さんに今日の出来事についてメッセージを送る。ここ3ヶ月くらいどのSNSでも見かけないので元気にしているだろうかと心配している。

夜ごはんはアンさんに誘ってもらって一緒にごはんを食べる。きゅうりとりんごをあげる。今度タイから友達が来るので東京のどこを案内するかを相談する。夜更かしをしてキッチンで松本旅行のことについて考える。寝る。