grief is not apparel

7月15日(木)

『あちこちオードリー』(ゲスト:オアシズ

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 朝起きると、ブルボンヌさんがオアシズ大久保さんのことをつぶやかれていた。年末特番の『マツコ&有吉 かりそめ天国』でのことかなと思ったら、昨夜の『あちこちオードリー』にオアシズが二人で出演されていたらしい。顔を洗ってTVerで番組を視聴する。

 番組を視聴して、私はオアシズの関係性が好きだと改めて感じる。二人とも愛知県は田原市の出身。地元の同窓会にもそろって出席することがあるのだけど、仕事での付き合いが長いこともあって、二人でいるときは恋愛の話などプライベートな話題は全くしないらしい。そうした関係性が築かれつつある中で、同窓会でそれぞれ同級生と話をしているときにふいにこぼれるお互いのプライベートな話に耳をそばだてているというエピソードが特に愛おしかった。

 光浦さんはほかの番組でもなにかお話をされるとき、感情が高まって涙がこぼれてしまう瞬間をお見かけすることがしばしばある。あの感情と言葉が並走している話し方がすごく素敵だと思う。

 『あちこちオードリー』は、現在は水曜の深夜に放送しているが、番組当初は土曜の午前中に放送されていた。土曜午前時代に東野幸治さんをゲストに迎え、水曜深夜に移行してからは、伊集院光さん、雨上がり決死隊・蛍原さん、今田耕司さん、ロンブー田村淳さん、中山秀征さんなどの番組の司会やある時代に放送されていた番組の功績者のような方をしばしばゲストに迎えている。その方達に対して、ライフヒストリーやこれまでとこれからのテレビの違いやあり方といった話題だけでなく、テレビ史を拾い上げることを志向しているように感じる。

 

ハートネットTV』私のリハビリ・介護「苦手な母と向き合って… 青木さやか

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 夜、寝る前にTVer青木さやかさんが出演されていた『ハートネットTV』を観る。自分の事例はあくまで一例に過ぎないという姿勢と、介護を通して嫌いだった母のことを好きになれましたという短絡的な話にはなんとしても回収されたくない、これは母への想いとどう向き合ったかという私の経験であり、私が私自身を褒められるようになった経験なんだという意思が感じられた。また、青木さんのお話される様子が、自分にしっくりくる言葉やニュアンスを探し当てていくような話し方で印象的だった。

 その話に耳を傾け、その言葉を受け止める中野淳アナウンサーの言葉選びや問いかけが真摯だと感じた。

 

青木さやかさんが常に抱えていた生きづらさについて。

青木「いつも何か不安とか寂しさがあって、楽しくない、という感覚でしょうか。あと、こう例えばテレビに出ていろんな人が私のことを知っていても、例えば評価されても、自分自身は自分を褒められないから苦しい。だめだだめだ、まだだめだ、絶対だめだ、みたいな感じ?がいつもあるということですかね」

 

自身が母になって、青木さんの母との関係は変わったかという質問に対して。

青木「よく言われたのは親元を離れたら感謝できるよとか、自分が親になったら感謝できるよとか、私も期待をしていました。そういうもんだと思ってましたけれども、うちの親が東京の私の家に来て、で、うちの娘を抱いたときに、一番最初に思ったことは、私の大事なものに触らないでほしいって思ったんですね。だから感謝どころか、いやもう絶対だめなんだなって、絶対嫌いなんだって思いましたね。親のこと嫌いにならない方がいいってことは頭では分かってるんですよ、それはね。でもどうしても心が追いつかないので、それは苦しかったですよね」

(2021年7月13日放送『ハートネットTV』 私のリハビリ・介護「苦手な母と向き合って… 青木さやか」)

 

7月11日(日)

久保「商品系(のCM)で、口に入れた後に(缶を)見るって、あれほどわざとらしいものはないと思うんですよ。美味いときは(缶を)見ない」

(『FNS歌謡祭』久保みねヒャダ裏生配信本麒麟CM撮影時より)

 

7月3日(土)

アリス・オズマン『ハートストッパー』

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 最寄りの書店でアリス・オズマン『ハートストッパー』の1巻を購入して読む。原作は現在4巻まで刊行されており、Kindleで読んでいる。今回、牧野琴子さんによる翻訳版が出た。細かなニュアンスを知りたかったのと、今後誰かに貸すことがあるかもしれないと思い、紙版でも購入する。ストーリーの中心となるのは、主にチャーリーとニックの話。帯には青春ボーイズラブストーリーとかイギリス発青春BLと添えられている。たしかにその要素もあるけど、それが全てというわけでもなくて、1巻で言えば二人の周辺に登場するベンやタラなどのこともふまえると、いろんなルーツやバックグラウンドやグラデーションのある人たちが登場する群像劇といったほうがより適当なようにも思う。何かにつけてごめんと言ってしまうチャーリーの口癖が表情にもすごくよく表れていて、その描写が巧みだと思う。それと、1巻の中盤あたりからニックの内面に戸惑いが表れ始めたときの機微が表情に漏れていて、セリフがないコマの余韻が残る。これは高松美咲さん『スキップとローファー』に登場する志摩くんにも似たような部分を感じる。

 また、性的同意に関することや、相手の意識がないときにスキンシップをはかろうとすることの危険性も意図的に描かれているのが読んでいてそういう啓発も大事だよな〜と自分も勉強している。

 

6月30日(水)

マーロン・リグス『タンズ・アンタイド』

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grief is not apparel.

悲哀は着るものじゃない。 

マーロン・リグス『タンズ・アンタイド』