聞きかじり見かじり読みかじり

有吉「なんか、(スタッフの方が)『距離とって歩いてください』って言うんだけど、なんか違和感なくて。そういえば普段もこれぐらいの距離感だって。別にみんなくっついて歩くことねえし。」

(2020年8月28日放送『マツコ&有吉 かりそめ天国』)

 

f:id:muda-muda:20201103162353p:plain

有吉「俺昨日、まあこれとはちょっと話が違う…コンビニで思いがけずいっぱい買っちゃったの。アイスコーヒー買ったり、なんか。もうかばんパンパンでさ、チャックが閉まんなくなっちゃったのよ。それで家まで帰ってさ、家で荷物全部出したらさ、ハム落としてんのよ、どっかで。もうその日のメインは俺ハムだったのよ。パンパンでチャックがちょっと開いてたのよ。歩くとチョッ、チョッ、チョッ、チョッってかばんが開いたんだろうね。もう家帰ったらもうダラーンってなってたから。あれハムない?ハムないよーっ!って。で、ハムハムハムハムって(家を出て外を歩き回る動作)。もうショックだった。(中略)もうやだよ〜。もう昨日ハムエッグ食べようと思って、それだけ楽しみにしてたんだよ。ハムねぇんだもん。」

(2020年9月4日放送『マツコ&有吉 かりそめ天国』)

 

f:id:muda-muda:20201103162227j:plain

 大学院も修了して、30歳くらいになった頃、街でバッタリとそのサークルの同期に遭遇してしまったことがある。私は昔の「知り合い」くらいの薄い関係の人間と、記憶を擦り合わせるような思い出話をするのがなによりも嫌いである。そんなことまでして仲良くなりたくはないし、あいついまどうしているか、という話題に一切興味がないからだ。その、過去と現在の答え合わせをするような下世話さが苦手なのだ。しかし、相手はペラペラと噂話を止めない。自分もだれかにこういう風に語られているのかと思うとウンザリしてしまう。かといってぶっすり黙り込んでしまうほどの覚悟はない。仕方なく話を聞くしかないのだ。この最初から詰んでいる感じが苦手だ。

サンキュータツオ『これやこの』)

 

 日誌を手渡すと、先生は突然「何歳のときにお父さんを亡くしたんですか?」と聞いてきた。先生が思いもよらず、はじめて自分に踏み込んできた瞬間だったので意外だったが、「小学2年生のときです」と答えると、「そうか…大変でしたね、お母さんも。」それ以降、彼はなにも言わなかった。えらいなとも、頑張るんだぞとも、言わない。変なことを聞いてすまないとか、そういうことも言わない人だったのだ。「帰ってよし」、次の瞬間にはそれできれいさっぱりだ。いい距離感の大人だなと感じた。私は中学に入る頃には、父親がいないことをなんとも思っていなかった。哀れだとも思っていなかったし、寂しいと感じることもなかった。コンプレックスでも、アイデンティティでもなかった。だから、その事実を聞いて、自分の想像でなにかコメントをする大人が鬱陶しかった。私にとってみたら、みんなが食べている菓子を自分だけ持っていないが、かといってものすごく欲しいかというとそこまででもない、くらいの感覚だった。

サンキュータツオ『これやこの』)

 

f:id:muda-muda:20201103161729j:plain

通行人「エール団ってなんなの!?誰かの応援のためにほかの人のじゃまをするなんてサポーターとしてレベル低いよ」

(『ポケットモンスターソード/シールド』より)

 

f:id:muda-muda:20201103152204p:plain

久保「なんか私が井上陽水に似てるなあみたいな、Twitterでね、つぶやきみたいなことをしてたときに、リプライで『私は旦那さんから久保ミツロウさんに似てるって言われてるんで私も井上陽水さんですかね』みたいな、あってさ。これは…マウントかマウントじゃないのか…いや私の受け取り方がアレなのか…」

ヒャダイン「どこにマウント性を感じましたか?」

久保「まあそんな自分のことを上げて言ってるわけではないわけだけど、なんか…」

能町「旦那が噛んでくるところですかね」

久保「旦那が噛んでくるところに、おや?っていう。旦那がいる人と子どもがいる人は、けっこう無邪気に『うちの息子もなんとかなんとかって言ってました』とか『うちの旦那からこう言われてました』とか、なんか私の若干自己卑下的なツイートに家族を絡めてこう言ってましたよっていうっていうのを送る人すげーなって思うんだよね。全く悪気はないんだけど、引っかかってしまう自分の方がたぶんちょっと弱いんだなって思って。」

能町「そこで自分を二重に卑下してしまうんですよ、結局」

久保「そういう人たちに反省してほしいわけじゃないんですよ、そう思ってしまう自分に気づく」

(2020年10月23日放送『久保みねヒャダ こじらせナイト』より)

 

f:id:muda-muda:20201103160504j:plain

青山テルマさんのラジオ番組『青山テルマのアフタースクールパラダイス』で定期的に放送している「勝手に妄想プレイリスト」の妄想ハロウィーンの選曲が素敵でした。

青山「その方とですね、(あれ?運命の出会いかな?)って思って、(え、なんかこの人マジ好きかも)って感じで、『一緒に飲まない?』って話してですね、『いいよ』みたいな感じで飲むんですね。で、ソファでいい感じに飲んでて、彼ともけっこう距離が近かったんで、(なんかいいかも)みたいな感じで。すごいちょっと惚れちゃいそうな雰囲気だったんですね。やっぱお酒もちょっと入ってるんで。大学生って飲んでいいんだっけ?飲んで大丈夫ですね、二十歳以上でしたら。で、飲んでて(なんかいい感じ)って思ってたら、目の前からドカドカドカってね、セーラームーンの格好した方がパーって入ってくるんですね、変装した方が。で、『てか、なんで連絡取れないの?』みたいな感じでバッて怒るのね、その彼に対して。『あ、ごめん』『てかこの女誰?』みたいな感じで私に指されるんですね。で、『え?』みたいな感じで『てかごめんだけどこれアタシの彼氏だから』って言って、彼をバッて取ってね、ドカドカドカってまた行っちゃうの。で、私、え、ポカーンみたいな。知らなかったしみたいな感じになって。で、やっぱりちょっと酔ってたから悲しいな感じで泣けてくるのね。で、友達が『大丈夫?どうしちゃったの?』『いや、なんかいい感じだなって思ってた人が彼女持ちだったんだよね』みたいな、『え?そんなヤツマジ忘れな?』みたいな感じで、そのテンションになって。DJこの曲かけてみたいな感じで、とりあえずウチらはフリーダムだから、そんな男にとらわれて人生左右されるような女子じゃないよねみたいな感じで盛り上がってこの曲をかけます。それでは聴いてください、Miley CyrusでMidnight Sky」

青山「Miley CyrusでMidnight Skyでした。勝手に妄想プレイリスト ハロウィーンパーティー編です。まあその女の子がね、私が振られて、振られてっていうか彼女いたんだみたいな感じで気づいちゃって。で、友達も『いや、そんな男忘れちゃいな』みたいな感じで、そういう感じでですね、この曲が流れてみんなでいやそうだよ、フリーでも楽しめるしみたいな曲なんですね、この内容的に、Miley CyrusのMidnight Skyっていうのは。別にあなたに愛してもらわなくても大丈夫みたいな強めの歌詞になっているんですけど、まあそんな感じで歌って。で、ハロウィーンパーティー後半ですね、プールパーティー、まあプールが後ろにあるので、プールの横で友達と座って5人くらいに座ってみんななんか失恋っていうか上手くいかなかったね、今日のハロウィーンパーティー全然いい男もいないし、ウチら騙されたし、超ショボンだねみたいな感じで話してるの。で、そこでみんながいやマジでウチらはもっとイケてる男と合コンした方がいいよみたいな感じの話になって、そうだねそうだねみたいな感じになっちゃって。で、ウチらはもっとSavageに生きていかなきゃ、強く生きていかなきゃいけないよって誰かが言って。そうだよね、ウチらはこんなショボい男に捕まるような安い女じゃないねみたいな感じで、すごくみんなでハイプしてるんですね。みんなで来年のハロウィーンには絶対彼氏と来ようねみたいな感じで。とりあえず今ウチらが一番やんなきゃいけないことは何?ってみんなで話し合うんですね。そのときにいやマジTikTok撮るんじゃね?ってなって、この曲でTikTokを撮って元気になります。それでは聴いてください、Megan Thee StallionでSavage Remix feat. Beyoncé

(2020年10月29日放送 NHK-FM青山テルマのアフタースクールパラダイス』より)



 

武田砂鉄「今日はね、テレビ見てますと延々と俳優さんの事故についてやってまして。どうしてここでUターンしようと思ったのかとかね、バイクの存在に気づけなかったのかとか、主演映画はどうするとかCMはどうするとか、違約金はいくらになりそうかとかですね、ひたすら繰り返しておりまして。もちろん彼自身がその場を立ち去ろうとしたことってことは悪いことなんで、それゆえに逮捕っていうことになったんでしょうけれど。それをなんか彼の人生をまるごと奪うようなかたちで報じてですね、たいへんなことになりましたね〜ってエンタメ化してるようなのはいかがなもんかなって思うんですよね。スタジオにいる司会とコメンテーターのみなさんが、言葉としては矛盾しますけれども、なんかこう心を躍らせながら深刻な表情をしているっていう、あの感じが僕はどうにも苦手で気持ちが悪かったんですけれども」

(2020年10月30日放送 TBSラジオ『アシタノカレッジ』より)