「最強フィメールラッパー対決(勝手に)」(2020年7月16日放送『青山テルマのアフタースクールパラダイス』 )

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 2020年7月16日にNHK-FMで放送された『青山テルマのアフタースクールパラダイス』の中で、パーソナリティー青山テルマさんが話された「最強フィメールラッパー対決(勝手に)」という企画が興味深かったので放送部分を書き起こします。今回はNicki MinajとCardi Bの対決です。

 続いてはこちらのコーナーです。「My Stay Home Playlist」。このコーナーはですね、私がこのステイホーム中にヘビロテしたり、気になってる曲を紹介するコーナーです。今日のテーマはですね、最強フィメールラッパー対決(勝手に)です。

 あの、最近ヒップホップ、ラップ、中学校からずっと聴いてるんですけど、その中でもね、常に話題に上ってくるこの大好きな私のフィメールラッパー、Nicki MinajとCardi Bを勝手に私が対決させようじゃないかっていうのを昨日の夜NHKさんと相談してですね。どっちも好きなんです。私はどっちも好きなんですけど、自分の中でもどっちが好きなのかちょっと分析していこうかなって思います。

 で、ヒップホップ界っていうのはビーフっていうのは欠かせないというか。日本はそこまでないんだけど、アメリカはね、どんな報道どんなプレスでも、どんな悪いプレスでもいいプレスって言われてるのね。それは何故かと言うと知名度が上がるんですよ。いい噂も悪い噂も全部知名度につなげるっていうのがアメリカの、ラップ業界のあるあるっていうか。まあそれはラップ、音楽だけじゃなくてもみんなそうするんだけど。

 日本だとさ、悪いことがあると、ただただ悪いみたいになるんだけど、アメリカってそこからどうやって復活して、どうやってその悪いことを音楽にして、それをかっこよくするかみたいな、そういうラップゲームっていうのも、実際存在して。私はそこの音楽、アメリカの音楽のそういう文化が実はすごい好きで。なんかこう単純に「この人は悪い、だから悪い」で終わらせるんじゃなくて、その人がどうやって這い上がってくるかみたいなのを音楽でどうやって見せていくかみたいな。そういうハート?が私は好きで。だからそれも、その心も私次のアルバムにすごいインスパイアされた部分ではあるんですけど。

 青山テルマさんはNHK-FM青山テルマのアフタースクールパラダイス』および東海ラジオ青山テルマの笑わないともったいないから笑ってこーよ』の中で年末に自身の新しいフルアルバムのリリースを予告しています。収録楽曲の中にはラップ楽曲があるようで、その音源をラップ友達に聴かせたところその上手さを褒められたということを番組中に話されています。

 まあその中でヒップホップ界でビーフ、挑発だったり罵り合い、まあ喧嘩ですよね、ビーフ、はよくあるんですけど、このNicki MinajとCardi Bっていうのは、もう実際この二人はいつ見ても仲良くなさそうなんですよね。曲は一緒にやってたりするんだけど、そこからまたアイツはこうだアイツはこうだみたいな言い出したりとか。なんかね、二人の中で、こうファン同士もNickiのファンもCardi Bのファンも結構よくSNSで喧嘩してたり。Nickiの方がいい、Cardiの方がいい、みたいな。そんな感じでですね、二人は結構お騒がせフィメールラッパーで。

 で、なにがおもしろいかっていうか、私の中で変わればいいのになって思ってるのが、そのフィメールラッパーの席っていうのがアメリカだと1席しかないように作られてるのね。もちろんいろんなフィメールラッパーがいるんだけど。メンズラッパーはそういう、なんていう、いろんなラッパーがいていいみたいな感じなんだけど、なんか知らないけどアメリカでは女性の、フィメールラッパーになると、誰が一番輝いてるかみたいな。ピンスポットでいくから、だから逆にNickiが超売れてるときはCardiがなんかだめだみたいな。で、Cardiが超売れてるときはNickiとCardiをビーフさせるみたいな。なんかね、そういうなんか変なね、みんないていいじゃんってなるんだけど、フィメールラッパーはアメリカの音楽業界では常に何か誰かとビーフしてるイメージではあるんですけど。

 番組のね、サイトでもどちらが好きなのか投票を行っているので、ぜひ好きなだけクリックしてください。もうここの中でもバトルしてください。で、二人のことをよく知らないという方はですね、これから曲をかけながら話していきたいなと思います。本当はね、もっとね、何曲もかけたかったのよ。こういうのもNickiできるよ、こういうのもCardiできるよ、みたいなのをね、比べたかったんだけど、ちょっと時間もアレなので一曲ずつにはなってしまうんですけど、聴いてみてください。

 まずは先攻、赤コーナーNicki Minaj、ということで。1982年、トリニダード・トバゴ出身ニューヨーク育ちの37歳。ウエイトレスの仕事をしながらアーティストを目指していたという苦労人。で、そうなんです。トリニダード・トバゴ出身なんですけど、私もトリニダード・トバゴ人なので。実際、1回ライブであのNickiにお会いしたことあって。あのNickiに「実は私もトリニダード・トバゴなんです」って言ったら「だからだ!アンタ私のシスターみたいね!」って言われました。適当かよ、と思いながらですね、優しく接してくれたNickiは言ったんですけど。それぞれちょっとね、星をいくつかつけていきたいなと思って。

 ファッション(存在感)はですね、5かな。4.5〜5かな。ハイエンドのブランドともコラボしてますし、ミュージックビデオでも、Lady GagaとNicki Minajか、みたいな時代もあったんだよね。すごい奇抜なファッションをしたりとか、みんなを驚かせるようなファッションセンスを持っていたりとか。ウィッグとかもね、いろんなウィッグをやったりしたんだけど、またこれがですね、NickiがLil' Kimを真似してるっていうそのビーフもあったんですけど。Lil' Kimがなんか「私にリスペクトがない」みたいな、「全部私の真似だ」みたいな。けどNickiは「違うだろ」みたいな、そこもビーフあったんですけど、だから考えたらNickiかLil' Kimにしようかなって思ったけど、Nickiは基本誰ともビーフ持ってるから。今回は分かりやすくNickiとCardiにしようかと思うんですけど。ファッション(存在感)は5かな、私の中で。

 で、お騒がせ度、5ですね、半端なく。もうね、Nickiもね、ラジオ番組やってるんですけど、もう基本全員ディスってるから、もう強すぎみたいな。あの、インスタとかでもね、結構何かこう、ライブとかでなんか「アイツはこうだ」みたいな。けどね、最近は結婚してからここ数ヶ月落ち着いてるかな、ちょっと。自分でも気づいたんじゃない?このままだったらちょっとやばいみたいな。ちょっとね落ち着いてはいますね。

 あとラップスキル、5だね。あの、4.5〜5だね。自分のリリックを書いてるっていうのがまあ一番でかいんじゃないかな。で、私はNicki Minajのドキュメンタリーとか全部見てるんですけど。やっぱりすごいリリカル。で、言葉遣いも上手いし、声の変え方?声のトーンの変え方って、歌歌ってるときとラップしてるときって違うんですよ、人って。私もそうなんですけど。ラップって結構ね、息を止めながらやるとクールに聴こえたりとかするんですけど。歌では絶対息を止めるなって言われるんですけど。けどそれでNickiっていろんな声がある。ニャニャーっていう声もあったりヌヌヌヌみたいな低い声もいくし、そんな使い分けがね、すごいいいなあって思いますね。

 あと歌詞の共感度、うーん、5なんじゃないですかね。自分で書いてるっていうのもあるし、言ってることがかっこいいんだよね。あともう一つの分野入れると、共感。人としての共感は3かな。うーん、なんかちょっと全員に噛みつきすぎだよって思っちゃうっていうか。言ってることがたまにコロコロ変わるから、いや覚えてないの?これ言ったの、みたいなとか、なんか「もうポップスしか私はやりません」とか言って次のアルバムゴリゴリラップだったりとか。後はなんか「もう私は音楽辞める」って数ヶ月前に言って普通に音楽出してるし、何か言ってることとやってることがね、たまにちょっとアレだから、人としてのその人間力っていうか、共感は3かなあ、ということで。

 そんなNicki Minajの曲をお送りしたいんですけど、この曲はですね、昨年リリースされたシングル「MEGATRON」という曲で、あのー結構私この曲のフロウが好きだったりとか、もうねーNickiはね、いろいろできるの。まあバラードもできるし、私は「Right Thru Me」とか「Pills N Potions」とかも大好きだし、あのすごいチルのやつもできるんだけど、結構こうハード、ハードすぎのやつはこのNHKでは放送できないのね。だからそのうまい具合の1番ニュートラルなやつを選んだつもりです。それを聴いてください。Nicki Minajで「MEGATRON」。

 Nicki Minajで「MEGATRON」でした。どうですか、まあちょっと曲もまあハードだったりするんですけど、まあNicki、ラップはね、いろんなリリカルなこう言葉遣い…魔法使いなんでね、ラッパーっていうのは。かっこいいね、Nickiはね。

 さあ、最強フィメールラッパー対決(勝手に)やってるんですけど、続いては後攻、青コーナーCardi Bです。1992年にドミニカ系の父とトリニダード系の母の間に生まれ…あ、カーディもトリニダードの血が入ってる。え、じゃあ私どっちもシスターじゃん。アガる。こちらもね、ニューヨーク育ちの27歳。ギャング、ストリッパーから今最も注目されるフィメールラッパーまで上り詰めたということですね。

 彼女はね、もともと私がインスタで見つけたのかな。ラッパーになる前にめちゃくちゃ面白い子がいるってなって、よく見てて。で、そこから彼女がリアリティーショーに出たのよ。えっと、ヒップホップの、面白いリアリティーショーで、私もよく見てるんだけど。そのリアリティーショーに出てここまで来たんだって思って。で、そこからラッパーになっていく道のりをきっとねファンとか、私含めて昔からのファンはずっと彼女の道のりを見てきてるから、今の彼女がいるポジションって結構想像できなかったっていうか、そこまで上り詰めんだっていうびっくりもあるし、そんときはラップもしてなかったし、あのなんていうんだろう、ほんとに一般人の面白い女の子だったの、Cardi Bって。けど、それが注目されて、リアリティーショーに出て、そこから音楽に目覚めてラッパーになって、今いるポジションになったので。

 Nickiとはまた違う、Nickiはきっともう昔からラップを追求してて、ミックステープ、私Nickiがデビューする前のミックステープも全部聞いてるんですよ。だから最初から見てるんだけど。生き様はちょっと違う?てか這い上がり方がちょっと違う?だからきっとNickiからしたら、「テメェ…」みたいな。「いきなりなんかそうやってリアリティーショーから出て、ラップやっちゃってるけど」みたいな。で、Cardiは「けどラップ好きだし」みたいな。なんかそういうビーフもあったりとかしてですね。

 Cardiを星でちょっと評価していきますね。ファッション(存在感)は、うんとね、彼女はねファッションよりも存在感が5。発言だったりとか、ファッションは昔はちょっとださかったのよ、正直。けど、やっぱりお金を持って、いろんなデザイナーさんとかいろんなファッションショーに行って、今はすごいおしゃれなんだけど。昔はね、結構もう本当に普通、ファッションも超普通だったし、あのなんだろうな、存在感、人としての存在感はあったんだけど、ファッションの存在感はまあ3かな。けど、人間の存在感は5。

 お騒がせ度は、私4かな。Nickiよりは下なんじゃないかなって思うのは、うんと、結構ね、ぶっとんでそうで、すごく正論なんだよね、Cardiって。結構インスタとかそういう場所でこうラジオだったりとかいろんなとこでテレビとかで発言してることも結構、的を得てるというか、ちゃんとしてる発言が。だからあの人間力っていうか、色々経験してるんだろうな、この人もって思えるから、なんかお騒がせ…もちろんお騒がせなんだけど、あんまり人のことを悪く言ってるイメージはあんまりないんだよね。ただ、旦那さんもラッパーでね、結婚したからそれもちょっとニュースになったりとか、今子どもが2歳になったばかり、Kultureっていう子ども、女の子がいるんだけど、2歳になったばっかりで、あのセレブレートしてたんだけど、お騒がせは4かな。

 で、ラップスキル…4かな。あのもちろん上手いの。もちろん上手いんだけど、Nickiほどのスキルはないのかなあってちょっと思う。まあもちろんNickiはもっと前からやってるからもちろんそうなんですけど。

 けど、次の歌詞の共感度っていうのはあのやっぱ人間力はCardiすごいので、なんかこの共感しやすいっていうのはあるかな。なんかこの一般人の女の子から這い上がったっていうのをきっといろんな人が見てるから、その生き様だったりとか、その彼女の生き方っていう共感度は5かな。人間力は私はNickiより高いかな、あのなんていう人間力、どっちもすごいんだけど、その有名になってからもぶれずに発言してるのはCardi Bかなって思う。

 ただ、歌詞は全部自分で書いてないんじゃないか疑惑もちょいちょいあるので。ただね、歌詞が書けるからいい、歌詞が書けないからダメっていうのは別になくて。まあブリちゃんだったり、Britney Spearsだったら、歌詞を提供されてるけどそれをどうやって自分的に、こう自分らしく表現していくかとか。あのそういうことに徹する人もいるし。だから、まあだけど、ラッパーはどっちかっていうと自分のリリックが書けないとダメだよねっていう。まあ、だけどP.D.(Puff Daddyの略?)とかすごいいい、ね、あの、O.G.(Old Gangstaの略?)とかも歌詞を書いてもらったりとかするから、なんとも言えないんですけど。まあ私的には歌詞の共感度は、Cardi Bにあるのかなって思うんだけど。でもNickiのあの歌詞を自分で書いてるっていうところはすごく評価が高いなって思います。そんなCardi Bの曲を1曲紹介したいと思います。これFeaturingの曲で、ここでもかけたことがかもしれないんですけど、いてみてください。Cardi B, Bad Bunny & J Balvinで「I Like It」。

 Cardi B, Bad Bunny & J Balvinで「I Like It」でした。こうやって二人聞き並べるっていうのをあんまり私もしたことないんですけど、今聞いてくれたら、ちょっとやっぱりNickiの方が息遣いが上手いんだよね。ちょっとこう締まってる感がある。で、Cardi Bは結構ノリがいいんだけど、声のこうトーンが一定してない部分もあったりですね。私も別にラッパーじゃないからアレなんですけど、勝手に評価させてもらってるんですけど。ラップスキル、ラップだけで見たらNicki Minaj、人間力を含めたら私はCardiなんだよなあって思いながら。「My Stay Home Playlist」、今日は勝手に最強フィメールラッパー対決Nicki Minaj VS Cardi Bをお送りしてきました。いかがでしたでしょうか。

 さあ番組サイトの投票もどちらが優勢なのか、あなたが好きな女性ラッパーはどっち、赤いボタンはNicki Minaj、青いボタンはCardi Bの二択になってるんですけど。あのね、説明する前は圧倒的にNicki Minajが勝ってたのに、今はNicki Minaj 51%、Cardi B 49%になってんの。さっきね、50:50もあったんだよね。だからみんな曲を聞いて選んでるのか、私のこのCardi Bの好きなのが伝わってるのか、また50:50に戻りましたね。どっちなんだろう、だけど私はラッパーとしてはNicki Minajかな。 

 NHK-FM青山テルマのアフタースクールパラダイス』は毎週木曜16時40分〜18時に放送しています。ご自宅にラジオがない方は、パソコンやスマートフォンでアプリ「らじるらじる」を利用してリアルタイムで聴くことができます。(パソコン版はアプリのダウンロードは不要で、新しいウィンドウが開いて聴くことができます。)

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