粗熱に蓋

2023年9月25日(月)

青果店に行ってさつまいもを買う。炊飯器の玄米モードで炊こうと考えていると、昨夜炊飯した玄米を炊飯器に入れたままにしていることを思い出す。急いで帰宅。昨晩遅い時間に就寝したので幸いにも玄米は傷んでいなかった。

夜に走る。自宅近くのコンクリートブロックの前におばあさまが見えた。私に気づいたようだったので会釈すると呼び止められる。おばあさまは夜空を指さして「あの星は金星?」と尋ねる。庭先に出たら偶然見つけた夜空に強く光る星の名前が気になったらしい。私は星に詳しくない。国立天文台のHPを調べて木星であることを確認する。「またいつでも聞いてください」と話して別れる。

夜、パートナーと電話。恋人から友達に進もうと提案する。今後も楽しい関係を続けるために、私たちにより適切なラベルをつけるのなら恋人よりも友達がぴったりだと感じる。お互いをより理解しているという点で、私たちは付き合い始める前よりも蓄積された豊かな関係にある。私にとっては友達に「戻る」というのはしっくりこない、友達に「進む」イメージが近いことを伝える。

私はラベルに苦しんでいたと思う。恋愛がもつ固定化のようなものに自分が黙らされている感覚があることも話した。長期間の付き合いは必ずしも安定的・平和的・同質的な関係性を意味しないのに、ラベルによってそれらの関係性の構築を強要されているように感じる瞬間があった。

誰しも価値観は可変的であり、変化がある際は対話の機会を持とうと付き合う前に話し合ったものの、いざ付き合う期間が長くなると分かりあえないことや譲歩しきれないことについて話すことをおろそかにしていたと思う。対話は相手への批難ではなく差異の確認であるべきなのに、ぎこちなさを予期して怖気付いていた。つたなくてもいいからもっと言葉にして差し出す必要があったとも思う。

まだうまく言葉にできない気持ちを伝えるとき、頭の処理が追いつかず話しながらぽろぽろ泣いてしまうことがある。今回は数日かけて自分の気持ちを書き出し、相手に対する気持ちと恋愛に対する考えを分類してから電話に臨んだ。言葉はつたなかったかもしれないが、落ち着いてそれぞれの考えを共有できたと思う。それはこれからの私にとって自信となるものだった。

青果店で買ったさつまいもを炊飯器で蒸かす。粗熱を取るのが面倒だったのですぐにタッパーに蓋をして冷蔵庫に入れる。