異なりあう

2023年5月11日(木)

夕方、二日前に作り置きしていた豚キムチを冷蔵庫から出して食べる。温めるのが面倒だったので、タッパーから皿に移して冷たいまま食べる。先日水星さんと散歩をしたときに食べ物の温度の話を二人でした。それがすごく楽しかった。出来たてのあつあつもいいけど、出来上がってから少し時間が経過したものも、それはそれでおいしい。ときにはそれこそがおいしいという話だった。たとえば、屋台で売っているような焼きそば、たこ焼き、たい焼き。あれらは家に持ち帰ったあとに台所やテーブルにしばらく置いておいて温度が冷めてしまってから食べることでより美味しさを堪能できることがあるということを確認した。先週末にしたその会話を一日に一度は思い出す瞬間がある。今日は冷蔵庫から取り出した豚キムチを食べたときがそのときだった。あつあつの豚キムチももちろん美味しいが、冷えたものも私はけっこう好き。豚こまがキュッと締まっているのが風流だとさえ感じる。

 

夕方、パートナーにメッセージでクイズを送る。出題したのは『ぽかぽか』のぽいぽいトークでの恒例企画の1つである「たぶん自分が1番ランキング」の数日分。その1位を当てるというクイズ形式にした。MEGUMIさん考案「40過ぎてもバリバリ野心がありそうな元グラビアタレントは?」、ベッキーさん考案「『べ』から始まる有名人といえば?」、田中みな実さん考案「名字が田中の有名人といえば?」の3問。パートナーは「熊田曜子ベッキーアンガールズ田中」とそれぞれ回答して街の声を見事に的中させた。私が感心していたらぽかぽかのレギュラーになりたいと得意げだった。

ぽかぽかの火曜レギュラーには、OWVとOCTPATHが週替わりで出演している。今週火曜日の放送ではぽいぽいトーク終わりにスタジオの舞台転換が必要になるため、その間にTikTokのトレンドダンスをOCTPATHにしてもらって繋ぐという企画が用意されていた。OWVとOCTPATHに強い思い入れがあるわけではないけれど、レギュラーメンバーの一構成員に対して、その場繋ぎでしかも本人たちの今後のことを考えていないような軽んじた扱い方・消費の仕方はないだろうとむっとした。

 

仕事終わりに、運動して9km走る。走りながら、GWにNHKラジオ第1で放送された特番『みんなの怒りを笑って共感!!おいでやすこがの“怒怒怒楽”』を聴く。スタッフの人たちの笑い声がよく聴こえるスタジオで収録されていた。おそらく同じくNHKラジオ第1で放送されている『タカアンドトシのお時間いただきます』や『あさこ佳代子の大人なラジオ女子会』と同じスタジオだったと思う。あの笑い声の広がり方には聞き覚えがあった。

一緒に番組を進行していたのは池田伸子アナウンサー。番組途中、リスナーからのメッセージをきっかけに夫婦間の話題になった。そのときにおいでやす小田さんとこがけんさんは自分の妻のことを奥さん、池田さんは自分の夫のことを夫と呼んでいた。紹介するメールの中で登場する人たちについても、池田さんは夫・妻・パートナーとそれぞれ意識的に使用されているように感じた。そのため、おいでやすこがのお二人と池田さんが話すときに同じ対象を指すであろう言葉を異なりあって使っていたようだった。

私も夫婦・恋人・パートナーについては、仮に話し相手が旦那さん・奥さん・彼氏・彼女と使っていたとしても、お連れ合いの方/恋人/パートナーって異なりあえると思う。また、芸能人の話題を話すときも、仮に話し相手が芸能人を呼び捨てにしても、自分は「さん」づけをしてしまうので、そこも異なりあえると思う。

芸能人を呼ぶときに「さん」づけしてしまうのは、自分なりのその人への敬意を表れなのだと思っている。もし街中でその人がその会話を耳にしたら、万が一その人がネットで何気なくその文章を探し見つけてしまったらとかということを考えると、さんをつけてしまう。自分は知らない人から一方的に呼び捨てされるのって嫌だなと感じるから。これは自分のなかのわだかまりを解消するためのものなので話し相手と規則を揃える必要はない。対話している人が呼び捨てを採用していたとしても、それはお互いのスタンスの違いだと思う。自分だけさん付けをして異なりあうことに抵抗はない。私のパートナーは、パートナーという言葉について、家計をともにしたり、一緒に長らく住むというステップを経ることで無理なく使用できる言葉だと付き合う頃から話していて、両者の間にパートナーという言葉への距離感の差異があることを確認した。私は、今のパートナーのことをパートナー・恋人と呼ぶし、パートナーは私のことをパートナーとは呼ばず、恋人と呼ぶと思う。ただ、異なりあうことが難しい話題や場面もある。異なりあうことで生まれるぎこちなさに耐えきれなくて自ら折れてしまったり、迎合してしまうときがある。LINEなどでのメッセージの文体や温度はまだ異なりあうことが難しいときがしばしばある。この特番を聴きながら、そこが異なりあったままで進んでいることがいいなと思ったし、自分にもそういう場面がもっとあっていいよなと感じた。

 

少し前にTBSラジオで番組へのメールを番組を担当する放送作家の方が自作されていたというニュースが報道された。私は当該の番組を聴いたことはないけれど、特番の単発ラジオ番組やPodcastの初回放送なのに幅広いリスナーからバラエティに富んだメールが届いているのを聴くにつけ、これって本当にリスナーから届いたメールなんだろうかと訝しく思う。出演者のSNSやラジオ局のSNSでその番組に関するキーワードを検索しても、放送直前の番宣投稿(すでに収録は終わっている)や放送後の投稿しかないのに、この番組にメールを送っている10代の人たちは一体どこからこの特番の情報やPodcastの情報、そして番組のメールアドレスを掴んだんだろうといつも疑問に思う。そしてもしそのメールが番組内で用意されたものだったら、特番だから、初回だからテスト放送としてさまざまな方策を探ってみますということを示して番組を進めてくれたらいいのに、と思う。ひょっとしたら特番とか初回とかについては、そういうことって織り込み済みなんだろうか。

 

youtu.be

北青鵬関の話し方がすごく好きで、ゆう5時相撲部のインタビューを繰り返し聴く。誰かの声色に似ている気がするのに、それが誰なのか思い出せない。

日曜日から五月場所が始まる。今場所も国技館へ一日観戦に行く。すごく楽しみ。一番一番の取り組みにより緊張感が生まれるのは終盤戦だけど、場所が後半に行くにつれ、怪我による休場も起こりうる。そのため、できるだけ序盤戦に行くようにしている。チケットも終盤戦より取りやすいし。

一月場所で観戦に行ったとき、隣に座っておられたお二人は新聞社に写真を提供されているカメラマンさんらしい人たちだった。よくナタリーの記事などで写真ごとにキャプションをついているのを見かけることがある。そのカメラマンさんお二人も撮った写真をパソコンに取り込んだあと、その写真にどんなキャプションをつけるかというのを話し合われていた。普段は出来上がったものとして見るものの製造過程を目撃しているようで新鮮だった。

お風呂上がりにキッチンへ。スーパーで買った苺を洗ってヘタを切る。クリスマスのハイシーズン時の半額くらいで苺が手に入るので、安いと思って手にとってしまうが、そもそもこれが定価なのかもしれない。ヘタを切っているとアンさんがキッチンにいらっしゃった。アンさんは洗い物をしながら、私は苺のヘタを切ったり洗い物をしながら、一緒におしゃべりする。話題は、シェアハウス周辺と最寄駅の沿線でこれから行われるイベントについて。今日の話題はたらればの話が多く、今後のイベントの後は株や不動産で安定的な収入を得たいという話だった。そこから話題は、職場の人で東京に実家があって家庭が裕福そうな人たちとその人たちのSNSの話題に。深夜にするのにうってつけの俗っぽい話題だった。お互いにキッチンでしたいことが終わったので就寝のあいさつをして解散する。二人とも遅寝なのできっとお互いにすぐには寝ないだろうけれど。