麒麟・川島さんともう中学生さんのお話(2021年9月4日放送 TOKYO FM『SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ』)

 土曜17時から17時55分にTOKYO FMで放送されている『SUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ』、2021年9月4日の放送回にゲスト出演されたもう中学生さんと番組パーソナリティの麒麟・川島さんお二人のお話がとても愛おしく、大好きな回になったので書き起こします。

 

もう中学生さんが再ブレイクしたときの話

川島「もう中さん。メモによりますと、これまでで最も緊張した仕事は、昨年出演した『有吉の壁』。『有吉の壁』で人生変わったね」

もう中学生「そうですね。壁さんで、何年、何十年ぶりに自分のネタというか、ゴールデンの7時からの番組でっていうことを考えてて。ちょうど前日まで実家に帰ってまして。で、母ちゃん行ってくるね、明日いよいよちょっとテレビの収録あるから頑張るね、って庭の畑で言ったら、お母さん、また10月の半ばくらいに帰ってくるね、一緒に有吉の壁10月の半ば放送だから見よう、って言ったら、お母さんが珍しく、帰ってこなくていい、っていうふうに言って」

川島「そんなこと言うお母さんじゃなかったんですか?」

もう中学生「そうなんです。しそもぎながら、庭で。もうちょっとしばらく帰ってこなくていいよって言って。もうあんたその常に長野に帰ってくることを前提で東京に行ってるから、その考え方もう変えようって言って」

川島「は〜、それまでそんなこと一回も言われたことなかったんですか」

もう中学生「はい。川島さんがその年の7月に『水曜日のダウンタウン』さんで僕の無観客配信のことを紹介してくださったり」

川島「いや、まあそれは衝撃的でしたからね。コロナになっちゃって、芸人がみんな無観客でお客さんいない状況で。漫才師とかも一応ネタやるけど、もう中だけはコール&レスポンスが必要なネタというか、子どもたちの声がないと成立しないネタを淡々と真っ暗な劇場でやってたっていうのを、たまたま私がテレビで紹介したっていう」

もう中学生「そういうこともあったりして、自分の中ではこう、どんどんちょっと本当に落ち込んでて。母ちゃん、実家帰るから東京の荷物減らすねって言ってたんですけども」

川島「これは言い方ちょっと難しいけど、もうちょっと引退しようかなぐらいの動きですか。荷物が全て長野に行けば、もう終わってたかもしれないっていう時期でしょ」

もう中学生「はい。でも川島さんがそうやって紹介してくださったり、有吉さんが僕のインスタライブに参加してくださったりとかして。そういうのがあって、ああ、もうちょっとだけお母さん帰れなくなっちゃったっていう感じの話をしたりとかしてて。でも、実家帰ると、やっぱりそうは言っても仕事もないし、今まで通りお笑いもできるか分かんないからっていうのを相談したりして。でも、先輩がああやってご紹介してくださったり、面白いって言ってくださったから、どうしようかな〜っていうふうな感じで、自分の中ではすごくまだ揺らいだり」

川島「そうか、またこのままずるずる続けても、親にも自分にも迷惑がかかるんじゃないかっていう」

もう中学生「自分の代表作の『ミリオンスロット』の段ボールとかも捨てちゃったりしたので」

川島「代表作。あの商売商売の」

もう中学生「商売商売の。この、紐を引っ張ったらここから山瀬まみさんが出てきて、僕が横取り40万の顔の部分っていう」

川島「あ、悪い顔の?」

もう中学生「はい。代表作だったあのネタも捨ててしまったりとか、徐々に徐々に段ボールも」

川島「断捨離というか、もう引退に一歩ずつ近づいてたという。自分を捨ててたんですね、じゃあ」

もう中学生「そうですね、ですけどもちょっと『母ちゃんやっぱりもうちょっと頑張ろうかな〜』とかって迷いながらも」

川島「実家に甘えてた時期やね」

もう中学生「そうですね。で、東京行ってくるね。10月15日にまた帰るねって言ったらもう帰ってくんなっていうふうに、母ちゃんが、あの母ちゃんがしそをもぎながら」

川島「もぎながら。これは最後の勝負をしてこいっていうメッセージだったのかね」

もう中学生「そのときにハートに火がついて、メラメラ。ハートにズキュンで。目撃!ドキュン

川島「目撃!ドキュン。いや、だからそれをずっと聞きたかったんですけども。もう中がそんなことになってるというのを私もつゆ知らず、ただただその、もう中の無観客配信がめちゃくちゃおもろいみたいな、それももう芸人界隈では結構有名だった。だけどそのタイミングでたまたまダウンタウンさんの番組で最近面白かった映像、笑ったやつありますかで、いやもう中のやつですねってそのタイミングだったから言っただけで。ほんでそれをオンエアされたときに、珍しくもう中から連絡が来てね。メールでかなりの長文」

もう中学生「7月15日」

川島「まあ、何が書いてあったとか事細かくは言いませんけども。本心を言うともうちょっと諦めかけてた、もう長野帰ろう思ってました、でもあのオンエアがあって、長野の友達とかからみんな連絡が来て、もうちょっと頑張ろうと思います、みたいな。を、くれたじゃないですか。だから、そんなことになってたんや、もう中、もったいな、って思ったんですけど、ちょっとでも力になれてるんやって思ってたら、あれよあれよと有吉さんのラジオに出て。ほんで『有吉の壁』に行って。で、今のブレイクにつながるっていうところで。いやだからそれが運命が変わる去年だったっていうのは知らないし。で、一個引っかかってるのが、今年にさんまさんの番組にもう中学生が出たときに、なんかまあまあざっくり言うと、さんまさんがすごい大活躍らしいな、ブレイクしたきっかけは何や?って言わはったときに、てっきり俺は有吉さんか、もしくは俺の名前がこれは出るぞと」

もう中学生「あの日のことを」

川島「もう、もう中、ええよと思いながらも、いや、あの、シリアスにいいですか?って言ってくれるんかなって思ったら、(さんまさんが)お前なんでブレイクしたんや?って言うたら、風水のおかげですとお答えされたそうで。これはちょっと審議の対象になってると。引っかかってるんですよね、それが」

もう中学生「あのー、川島さん、僕こう、やっぱり、僕すごく勘違いしてたのが、まだまだ甘いかな。まだまだ自分がこう成功したり、こう、自分が」

川島「ブレイクしたって言われるのがまだ満足してない」

もう中学生「まだまだ全然だなって思ってたり、なんとかありがとうっていう言葉が簡単だったり、本当にあの日ありがとうございますっていう言葉ではなく、こうなんとかお笑いだったり、ネタだったりで、恩返しする方法ないかなって思って。毎日、一時間に一回、30分に一回たりともあの日のことだったりは忘れていないんですけれども、それ以外の方法で伝える方法はないかなっていうふうなのを毎日思ってまして。で、なんとかお笑いで面白いことをすることで先輩たちにこう、あ、あいつ感謝してるって」

川島「笑いで返したいというもう芸人として一番素晴らしい答えですよ」

もう中学生「とかっていうふうな勘違いをしてて」

川島「いやいやいやいや、勘違いじゃないよ」

もう中学生「ありがとうございますって思ってることは、やっぱり今日思ったり、今思ってるのであれば、やっぱりその場そのときに言うべきだったなっていうのを自分の中ですごく思って」

川島「いや、それはすごくわかるんですけど。風水ってどっから来たのかなっていうのがちょっと引っかかってまして」

もう中学生「そうですね。あの、でも実際に本当にもうパンッパンだったんですよ、家が」

川島「あ、ネタ道具で?」

もう中学生「そうですね。ネタ道具でパンパンで。あの、『フットンダ』でお布団が飛ぶ前のあのぷくぷく」

川島「8割ウケくらいのね。もう爆発寸前の、あの。家があの状態」

もう中学生「そうですね。トシさんがぷくぷく言ってますねって、あの」

川島「あの、ドンドンドンドンドンドンっていうあの暴れ太鼓が流れる、あの瞬間」

もう中学生「あの状態に。で、あのめがねのディレクターさんがこう笑ってるみたいな」

川島「もうだからいつとんでもおかしくない。段ボールもネタも増えてましたからね」

もう中学生「はい、もう家がほんとにぷくぷく言ってて、段ボールがぷくぷく言った状態で。でもほんとに家の家賃も払えなくなってたので、家を引き払うっていう状態で段ボールをぶわあって捨てたら、ほんとに風通しよくて。ああ〜これ風通しいいな〜っていうふうに思ってたので。何を思ったか」

川島「それ風水っていうか、ダメなネタを捨てただけですよね」

もう中学生「そうですね」

川島「やっとそれをやった」

もう中学生「はい」

 

2011年、地元・長野の番組にレギュラー出演していたときの話

川島「長野県すべてが思い出深い場所?」

もう中学生「はい。あの2011年に、仕事がそれこそ落ち着いて来た頃に、たまたまライブの告知で『3時は!ららら』に出させてもらいまして。らららポーズでおなじみの『3時のららら』」

川島「長野県でやってるワイドショー」

もう中学生「はい、やってた番組なんですけども。宮入アナと生田アナの『3時は!ららら』にライブの告知で出させていただいたときに、プロデューサーさんに、あの長野出身なので、レギュラーにしてくださいってお話させていただいたら」

川島「もう中から言ったんや」

もう中学生「はい。そしたら宮川プロデューサーがほんとにいいんですか?って言ってくださって。で、2011年の4月からサンララのプロデューサー…あ…」

川島「プロデューサーになったわけではないでしょ?レギュラーですよね?」

もう中学生「レギュラーにさせていただいて。で、そのロケがディレクターさんと音声さんと僕で毎回ある一つの村や市町村に行って、その村の人たちその町の人たちいろんな人たちに話しかけて、で、本当になかなか難しいんですけど、夕飯を食べさせてください、さらにテレビで撮らせてくださいっていう、突撃で行ってまして。で、毎回なかなか大変で、OKいただいてからも夕飯のお時間に合わせるので、3時間、4時間ぐらいずっと車の中で待機してて、男三人で」

川島「うわ〜なるほど」

もう中学生「はい。そのあと夕飯を食べる前もまず物撮りをみんなでして。で、おうちに上がるのでちょっとお仏壇とかにもお願いとかをさせていただいたりとかして、お邪魔しますも言わせていただいたりとかして。で、ロケスタートして夕飯を食べて、帰ってくるっていうのを」

川島「なかなかの一日仕事ですね」

もう中学生「はい。それを毎週やらしていただいてまして。で、もうそれでやっぱふるさとの魅力であったりとか、すごく山の遠くのおじいちゃんおばあちゃんだけで住んでるおうちとかに行かしていただいたときも、もう中さん、テレビ見てましたよとか、また全国のテレビに出てくださいねって」

川島「うわあ、地元の星だったんだね」

もう中学生「おっしゃってくださって。で、いつも帰り道だったり、帰りの新幹線で、ほぼ毎回と言ってもいいほど涙がぼろぼろっと出てきて。で、ああやって言ってもらったのに、自分はもうテレビとかにもまあこれからも出ることないから、また会おうねとは言ってくれたんですけれども、もうほんとにこの先会うことないのかなっていうふうに思ってる帰り道でして」

川島「いや、本人もちょっと諦めてる部分があったからね」

もう中学生「そうですね」

川島「でも言えないもんね。またテレビ出てよって言われたら、はいって言うしかない」

もう中学生「って言うしかなくて」

川島「裏切っちゃったんじゃないかと」

もう中学生「またもう会えることはないのかなって思ったりとかもしたりとかしてたんですけど。で、自分でやっぱりロケとかお世話になったところとかに割と仕事がさらに落ち着いてきたと頃とかに、実家帰るたんびにそのままロケでお世話になったところを探検しに行ったりとか」

川島「それはもう完全プライベートで」

もう中学生「そうですね」

川島「お礼言いにと」

もう中学生「はい。行ってたりとかしてたりとかして」

川島「そっか、出てから長野のよさに気づいたというか、さらにね」

もう中学生「そうですね。人の優しさにも触れて」

川島「よかったね。じゃあ今の活躍みんな見てくれてるやん」

もう中学生「見てくれてたらとても嬉しくて」

川島「ねえ。約束守ったことにもなるし。また行かないといけないですね」

もう中学生「そうですね。さらに。御礼ツアー」

(2021年9月4日放送 TOKYO FMSUBARU Wonderful Journey 土曜日のエウレカ』より)

 

番組ホームページでは、私の書き起こしよりもうんと上手にまとまった放送後記が掲載されています。そちらもぜひご覧ください。