2021年8月に聴いた好きな楽曲

2021年8月に聴いた好きな楽曲を振り返ります。

Lizzo  - Rumors (feat. Cardi B) (2021)

根も葉もない噂もホントよ!ヘイターたちは好き勝手言ってな!と歌うLizzo。

アルバム『Truth Hurts』収録楽曲のシングルカット以降、楽曲のリリースをしていなかったLizzo。歌詞の中には”Last year, I thought I would lose it / Readin' shit on the Internet”とアンチからの悪質や誹謗中傷などに苦しんでいた様子も歌われています。

この楽曲を聴いて思ったのですが、Lizzoはブレスを意識的にボーカルのトラックに乗せていますね。Cardiのラップと聴き比べるとよりその対比がよく分かるなあと思いました。

 


Kim VaniaさんがカバーされているRumours (Japanese Version)をラッパーのvalkneeさんのつぶやききっかけで知りました。とっても痛快でした。本家タイトルRumorsとは異なり、Rumoursとイギリス英語表記ですね。まだあまり和訳が出回っていないこのタイミングで、歌詞を和訳し、字数を調整し、LizzoのVerseでの”true, yeah”のような(U + E)の押韻をLizzoよりもやってのけているのが本当にすごいです。CardiのVerseもCardi独特のフロウを咀嚼していて、語尾の上がる感じとか、”カーディ駄目機械みたい〜”の言い回しとか忠実ですご〜と思いながら見ました。

このRumoursのほかにこれまで投稿されたカバー曲は、Lil Nas X & Jack Harlow「INDUSTRY BABY」、Megan Thee Stallion「Thot Shit」、Doja Cat「Need To Know」、Ashniko & Princess Nokia「Slumber Party」、City Girls「Twerkulator」、Ariana Grande「34+35 Remix」など、今年を彩る強めな楽曲が盛りだくさん。カバー曲の中では、Cardi BのUpのカバーが特に好きでした。オリジナル楽曲のPre-Chorus部分で多用されるBがつく単語を和訳の中にも見事に落とし込んでいます。ご自宅のキッチンカウンターの上と思われる場所でバチバチに仕上がっていて最高でした。

Kim Vaniaさん名義のオリジナル曲もビッチーな楽曲が多くて、楽しみながら動画を拝見しました。

 

Michaela Jaé - Something To Say (2021)


ライアン・マーフィー『POSE』にブランカ役として出演しているMJロドリゲスの、Michaela Jaé名義でのデビューシングルです。PEOPLEでのインタビューでこの楽曲のインスピレーションについて尋ねられたMJロドリゲスは以下のようにコメントしています。

-この楽曲のインスピレーションはなんですか?

私たちは、この曲がすべての人を象徴するものであることを確認したかったし、COVID-19や選挙、Black Lives Matter運動の時代に、私たちが地球上の人間として様々に経験していることを表現したかったのです。この曲を制作している間にもこのようなことが起こっていたので、すべての人に語りかけるような曲にしたかったのです。また、この曲の中で、肌の色や性的指向セクシュアリティ、世界をどのように生きているかにかかわらず、私たちの声を一つにすれば人々を一つにできるということを伝えたかったのです。なぜ、喜びを通してそれをしないのか?なぜ、幸せを通してそれをしないのか?なぜ、エンパワーメントと解放を通してそれをしないのか?それがこの曲の最大の目標でした。私はあなたをいつも笑顔にしたいと思っているので、それができたならば、私は幸せです。

 

NIKI - Every Summertime (2021)

88risingのNIKIの新曲。リリース時にあまり明示的に情報が発表された印象がないのですが、クレジットを確認するとMARVELの記載があり、楽曲のジャケットも10個の円形が連なっていることから、9月3日に公開されるMARVEL最新作『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で使用される楽曲のようです。ミュージックビデオには、『ミナリ』でデヴィット役を演じたアラン・キムさんが出演しています。

個人的に『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、『ブラックパンサー』くらい楽しみにしています。『シャン・チー』サウンドトラックの楽曲リストはまだ全てが公開されておらず、週に1曲ずつくらいのペースで楽曲が公開されています。すでに公開されている「Lazy Susan」では、88risingのRich Brian、MASIWEI、Warren Hue、「In the Dark」では、Jhené Aikoなど、アジアにルーツを持つアーティストが関わっています。ハリウッドで先日行われたプレミアには今年「Build A Bitch」でスマッシュヒットを記録したBella Poarchや、GOT7のMark Tuanが登場したことから、サントラ楽曲にも携わっている?と期待してしまいます。個人的には同じくアジアにルーツを持つSaweetieが楽曲参加してくれたらすごく嬉しいな〜と想像しています。

8/24追記、リークされたトラックリストにはAUDREY NUNA、Anderson .Paak、そしてSaweetieの名前が確認できました。韓国にルーツを持ちストリーミングで勢いのあるAUDREY NUNAと、同じく韓国にルーツを持つAnderson .Paakの起用、予想外で嬉しいです。Saweetieの楽曲もとても楽しみです。

 

ProducePandas - The ONE (Japanese Ver.) (2021)

ProducePandasの新曲はSTYさんがプロデュースされた楽曲です。STYさんの楽曲は、Twitterの友達きっかけで今年から聴くようになり、その流れで今回のプロデュースのことを知りました。STYさんオリジナル楽曲での歌い方やメロディーラインの特徴を少し知った上でこの楽曲を聴くと、STYさんのデモ音源のボーカルが聴こえてきそうです。AメロとBメロのつながりがとっても上品で綺麗です。サビ終盤のギュインと転調する部分もクセになります。

 

JO1 - Dreaming Night (2021)

JO1×KZ楽曲、心待ちにしておりました。8月18日リリースのJO1 4枚目のシングル『STRANGER』から6月25日に先行リリースされたドラマのタイアップ楽曲です。楽曲を初めて聴いたとき、(すみませんがどこかでお会いしたような…)というような印象があって、クレジットを確認したところ、作曲者にKZさんのお名前がありました。

KZさんといえば、2019年に放送された『PRODUCE 101 JAPAN』シーズン1のコンセプト評価楽曲「やんちゃBOY やんちゃGIRL」を手がけた方でもあります。また、さらに遡るとPRODUCE X 101では同じくコンセプト評価楽曲「뻐이뻐(Pretty Girl)」もプロデュースされておられます。JO1のオリジナル楽曲では、デビュー曲「無限大」、カップリング曲「My Friends」に続いて3曲目の楽曲です。

この楽曲、パート割りがめちゃくちゃ好きです。JO1の楽曲では珍しく1番サビ前までに全員のパートがあるように聴こえます。

K-POPプロデューサーであるGAMSUNG SOUNDさんの日本向けのYouTubeチャンネルで8月13日に公開された動画では、今回「Dreaming Night」を手がけたKZさんを招き、「やんちゃBOY やんちゃGIRL」の制作、レコーディングに話した動画がアップされています。

もともと韓国語で歌詞を作詞されていて、その中の「개구쟁이(ギャーグジェンイー)」が日本語訳されて「やんちゃBOY(やんちゃGIRL)」になったという話が興味深かったです。

 

bbno$ & Rich Brian - edamame (2021)

今月のワークアウトソング。

 

PP Krit - It's Okay Not To Be Alright (2021)

PP Kritは、タイの俳優・モデルです。2019年に放送されたドラマ『My Ambulance』や、去年から今年にかけて放送されたドラマ『I Told Sunset About You』で一躍注目を集めました。

そんなPP Kritが今月本格的にアーティスト活動を始動させ、デビュー曲としてリリースしたのが「It’s Okay Not To Be Alright」です。好きだった人を忘れる過程で伴う痛みについて、ゆったりと思い出を反芻するように歌われています。

I Told Sunset About You』がずっと気になっていて、なにかの配信で見れないかなと思っています。今年6月にWOWOWで放送していたらしく、どうやらオンデマンド配信もあったようだったのでそこで見ておけばよかったのですが見逃しました。9月1日からはRakuten TVで販売が始まるのですが、全5話+メイキング特典1話で約8000円という設定価格に躊躇しています。

 

UKI EYE - HEROINE (2011)

8月13日にUKI EYEさんのカタログが再リリースされました。

「HEROINE」は、2011年12月21日にリリースされた1stアルバム『*wash*』の2曲目に収録されている楽曲です。アルバム1曲目の「Daybreak」からシームレスにつながる構成になっており、曲間を大事にされているUKI EYEさんの矜持を感じます。このことについて、自身がパーソナリティを務めるラジオプログラム『UKI EYE'S COURAGE LOVE RADIO』の中で次のように話されています。

UKI EYE「Daybreakからシームレスに2曲目のHEROINEにつながるんですけど、アルバムの1曲目と2曲目はね、シームレスにつながないとダメッ。もうダメです。これはね、もう掟ですね、私の。」

(2021年8月14日配信『UKI EYE'S COURAGE LOVE RADIO』#09より)

私はこの楽曲はセルフラブがテーマの楽曲なんだと思っています。楽曲中に登場する「あなた」や「悪魔」は、ときに「わたし」を励ましたり、貶める自分自身なんだと解釈していて、1番で登場する「わたし」と2番で視点が切り替わり登場するもう一人の「わたし」の楽曲。だからこの楽曲を今回改めて聴き直したときに、2018年にAriana Grandeが「thank u, next」のVerse2〜Pre-Chorusでやってのけた流れを2011年にやってる!と感激しました。

また、1番・2番それぞれのAメロ2パート目の「ちょうだい」「あげる」が「ちょうだ〜い」「あげる〜」と少しメロディにアレンジが加えられているのもこだわりが行き届いていて素敵です。

  

 

この度、音楽を紹介するPodcast『mudaの選曲』を始めました。今回は、今月取り上げたMichaela Jaéの「Something To Say」を紹介してします。よろしければぜひ聴いてみてください。来月もよろしくお願いします。