助演サビ

2月26日(金)

水曜の夜は風呂でだらだらして、寝たのが3時くらいになった。その寝不足が木曜の夜はどっと襲って、自宅で机に向かいながらうたた寝してしまう。これではいかんと思い、10時半には寝床に入る。木曜の夜恒例のマイさんのDJイベント、今週はタイの70年〜80年代のポップソング特集で楽しみにしていたのに参加しそびれる。金曜の朝は7時前に起床。マイさんに寝てしまったお詫びの連絡をする。

 

Joyce Wrice - On One (feat. Freddie Gibbs)

3月19日にリリースされるJoyce Wriceのファーストアルバム『Overgrown』に収録される「On One (feat. Freddie Gibbs)」がこの日から先行リリース。仕事からの帰り道に聴く。イントロで用いられるフレーズを聴いたとき、けっこう渋めのループだな〜と思ったけど、いざAメロが始まると、さっきまで扱いの難しそうだったフレーズを巧みに飼い慣らしていて胸躍る。Bメロではスナップにスポットがあたってフレーズは少し奥に隠れ、サビでまた前面に出てくる展開。自分はサビのメロディーが右肩上がりになる曲よりも山なりになっている、もしくは平坦が楽曲がすきで、そういった楽曲のことを「助演サビ」と勝手に呼んでいる。すすんで主役にならないことで、かえって魅力的で印象に残るサビのような気がする。そういった楽曲をまとめてプレイリストにしている。

 

岨手由貴子『あのこは貴族』

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仕事終わりに岨手由貴子『あのこは貴族』を観に行く。私は自宅のトイレに観たい映画のポスターを貼っていて、『あのこは貴族』も昨年12月ごろから貼っていて楽しみにしていた。面白かった。思えばこれまで門脇麦さんと水原希子さんのお芝居されるところをほとんど見たことなかったことに気づく。門脇さんはかろうじて『まれ』を観たくらい。二人とも演技が上手だった。門脇麦さんが台所で人差し指を使って瓶からジャムを掬う仕草、水原希子さんが同級会・大学の内部生とのアフタヌーンティーの席・ホステスとしての接客の席で見せるどこか所在ない表情がそれぞれうまかった。

映画の中盤、多くの大衆映画であれば、ここで大きく衝突したり諍いが起こる展開を予感させるシーンで、石橋静河さん演じる相良逸子がこの作品はそういう展開から背を向けるねと示す姿勢がかっこよかった。

榛原華子が暮らす東京という世界も、時岡美紀が暮らしていた「外部」としての富山の実家という世界、地元の同級会という場の世界でも、あちこちの世界で男性が優位とされ、女性はそれに従属する社会が蔓延していた。そういった社会で女性は男性から機会を提供してもらったり、男性に付き従うということを長らく続けてきたけどこの作品ではそこから脱却して、女性が自分自身で機会を作ったり、自分で自分の価値を創出していく過程を二人のそれぞれの視点から描いていた。

門脇麦さん演じる榛原華子と石橋静河さん演じる相良逸子さんの関係性、水原希子さん演じる時岡美紀さんと山下リオさん演じる平田里英の関係性、そして、榛原華子と時岡美紀の関係性がそれぞれによかった。「女はサーキュレーターじゃないよ」「もう私たちって東京の養分だね」というパンチのあるセリフも印象に残る。

 

帰り道、ドンキに寄る。きこりの切り株とヤクルトとヨーグルトを買って帰る。きこりの切り株は以前行ったときから配置場所が変わっていて、今ある在庫がなくなったらもう仕入れなさそうな雰囲気がしている。寂しい。ドンキではほかのスーパーでは値が張ってなかなか買えない小岩井の生乳100%ヨーグルトが200円切るくらいの価格で売っているので、たまに買っている。ヤクルトは少し前の『宮下草薙の15分』で草薙さんがヤクルトをどうしても飲みたくてお店を回った話きっかけで飲みたくなり、R1とヤクルトとジョアをかわりばんこに飲んでいる。

 

ドンキから家までの帰り道、この日リリースされたRoosevelt『Polydans』を聴く。このアルバムのリリースは昨年10月という早い段階からアナウンスがされていて楽しみにしていた。12月、アルバム収録曲のみで構成されたEPを切り出しリリースされて少し不安になる。切り出しEPについてはまだどういう風に捉えたらいいかわからないけど、今回の3枚目のアルバムも1枚目、2枚目に続き聴き応えがあった。4曲目に収録されている「Closer to My Heart」がドライブしているときに聴きたくなるようなかわいらしい楽曲だった。