ジョウトからカントーへ

◼︎10月24日(土)

 シンフォニーホールの吹き抜けの広場で古本市をしていたので立ち寄る。興味のある本をいくつか見つけるが、その本を読み終えたあとにどう処分しようかと考えだすと買うのが面倒になってやめてしまう。何かを手にするときはそれを手放したり別れるときのことを真っ先に考えてしまう。

 

◼︎10月29日(木)

 仕事終わりに岡山駅前でK野さんと待ち合わせして晩ごはんを食べる。この日は天ぷら定食を食べた。明太子と浅漬けと黒烏龍茶が頼み放題のお店だったが、コロナの影響もあり、明太子と浅漬けはお店の人に注文する手続きが必要になり、おかわりのハードルが上がったらしい。たしかにおかわりをお願いすると容器を持った店員さんが何人分要りますか、と私たちと試してきた。これでは思い切って二人分を注文しにくい。追加で頼んだ一人分の明太子と浅漬けを二人でつつく。K野さんがやすともさんの番組でメンズ化粧品の特集を見たとのことで、東急ハンズでメンズ化粧品コーナーにあるコンシーラーやファンデーションを見て好きなことを言い合って解散する。

 

◼︎11月4日(水)

 昨夜はNHKで『おげんさんといっしょ』の放送があったよう。その流れを受けて、昨夜の『星野源オールナイトニッポン』には、高畑充希さん、三浦大知さん、松重豊さんがゲスト出演されていた。「うちで踊ろう」が流れたとき、これまでだったらあまり気になっていなかった「生きてまた会おう」というフレーズが強く耳に残る。この楽曲を作ったとき、星野さんがどんなことをイメージしてこの言葉を添えたのかは当人のみが知るところだけど、コロナを患って亡くなった方だけでなく、自死を選んだ方のことが頭をよぎって、意図せずこの言葉を反芻してしまう。

 

◼︎11月5日(木)

 近所のホームセンターでクロスバイクを買う。ライトはお店にいいのがなかったので、AmazonでUSBケーブルで充電できるライトを買った。帰り道、無灯火で帰るのは憚られると思って、iPhoneのライトを灯して帰る。帰宅してから2年半お世話になったレンタサイクルの会員を退会する。

 

◼︎11月7日(土)

 K野さんとレンタカーを借りて、県内の観光地である吹屋に行く。江戸時代に銅山とベンガラ(酸化鉄)の製造で栄えたところらしく、観光地の屋根や壁のあちこちが赤茶色にしつらえられていた。K野さんのご実家では年末年始にかにを食べるのが通例だという話を聞く。それと、卵かけごはんはTKGなどと略されて、なんだかあがめられているけど、卵はできるだけ生じゃなくって火を通して食べたいという価値観が共通していることを確認した。

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 お昼ごはんで寄ったお店は、そばとうどんの二品のみをメインに扱うお店だった。座敷の席には温かいお茶が入ったポットと湯のみが裏返しで重ねられたお盆。部屋の隅のテレビでは『麒麟が来る』の再放送が流れていた。K野さんはそば、僕はうどんとおにぎりを注文する。

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 あまりの居心地のよさに、年末年始迎えちゃいましたねと話しながら、店内もそれほど混んでいなかったので、テレビを見ながらのんびり過ごす。

 

◼︎11月8日(日)

 午後から、こないだ買った自転車に乗って出かける。レンタサイクルだったら距離の関係で躊躇して行けなかったところへ足を運ぶ。車や自転車を所有していないと、なかなか立ち寄れないスタバや文具店、モスバーガーミスドに行けると思うとわくわくしながら自転車をこぐ。最近ポケモンをプレイしていることもあって、日常の経験がポケモンのストーリーとすぐ結びつく。この高揚感は、ポケモン金銀ジョウト地方からカントー地方へエリアが拡大したときの高揚する気持ちと似ている。

 まだ街を行動するときの頭がレンタサイクルの思考から離れられていない。これまでであればレンタサイクルは1時間以内にどこかのポートに返却しなくてはいけなかったので、遠くのミスドに行けば追加料金がかからないよう長居しないように注意を払っていた。それが抜けずになるべく早く帰ろうという頭に気づけばなっている。これまでの蓄積で凝り固まった行動の型がこれから少しずつ変わっていくんだと思うとなんだかわくわくした。

 

◼︎11月9日(月)

 金曜日から時間差出勤。朝の時間に余裕ができる。

 昨日届いたレミパンを使って、ポトフを作る。使った食材は、玉ねぎ、にんじん、ベーコン、冷凍のブロッコリー、れんこん。味付けはコンソメ、塩、粗びき黒コショウ。レミパンには専用のフタが付属していて、フタを縦にすると持ち手の部分が支えとなって自立する。さらにガラスぶたの銀ぶちが深く作られていて、フタを縦にしてガラス面に付着した水滴が下に垂れてもふちで受け止めてくれるつくりになっている。

 職場へ向かう道すがら、有吉さんのラジオ『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』を聴いていたら、有吉さんがレミパンを使っていることをふいに口にされたので驚く。有吉さんのことをますます好意的に思う。かりそめ天国で自宅で料理をされる話をときどきマツコさんとされていて、卵とキャベツをつかったあの料理はレミパンで作ってるのかなあと想像する。

有吉「俺、あの、フライパンね、レミパン使ってんの。平野レミさんの。平野レミさんの番組一緒になって、フライパン褒めるじゃん。『めっちゃいいっすね!』って言ったら『ああ、送ったげる送ったげる』って本当に送ってくれんの。すっげえ助かる。レミパンってめちゃめちゃいいんだよ。使いやすい。…また送ってくんねえかなあ、レミパンレミパンって最高…俺レミパンって最高だと思うんだよね…」

デンジャラス安田「何回言うんだよ」

有吉「みすぼらしいよ。なに貰おうとしてんだよ」

(2020年11月8日放送『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』より)

 

◼︎11月10日(火)

 仕事終わりに自転車で近所のモスバーガーへ。チキンナゲットとペプシを頼む。ご飯を食べたあとにモスへ立ち寄ったので正直チキンナゲットは要らなかった。ただ、飲み物だけで居座るのは少し気が引けてしまった。見栄だ。途中職場の知り合いの方が入ってこられたので脱いでいた帽子を被り、外していた眼鏡をかける。

 

◼︎11月11日(水)

 帰ってから家で運動をして、10km走る。走りながらORβITのアルバム『00』とKylie Minogueのアルバム『DISCO』を聴く。ORβITのアルバムはティーザーで聴いたときはヒップホップに比重があるアルバムだと思っていたけど、予想よりもずっとバラエティ豊かな楽曲が収録されていた。特に「Showersnow」のような柔らかなR&B楽曲が聴けると思っていなかったので予想外で嬉しかった。Kylie Minogueのアルバムは、1曲目「Magic」のアレンジと歌詞が抜群によくて、アルバムの世界観に一気に引き込まれる。もし自分がアルバムの曲順を決めるなら2曲目・3曲目と4曲目・5曲目の順番を入れ替えるかもしれないと思ったけど、それは安直な発想で3曲目まででお腹いっぱいになってしまうかもしれないなと色々考える。こんなことを考えながら走れるときは、足の動きをあれこれ考えず走れている証拠なのでけっこうペースがよかったりする。

 

◼︎11月12日(木)

 ラジオ局がYouTubeに公式で放送音源をアップしている番組がいくつかある。その公式アップロードのサムネイルが違法アップロードされているラジオ音源動画のサムネイルに似ていると感じるときがしばしばある。パーソナリティの写真、番組タイトル、放送日、ゲストがいればゲストの情報。どっちが模倣なのかもうよくわからない。なんかもやもやしてしまう。