喪の作業

 先日ツタヤでプリキュアの歴代エンディング曲をまとめたアルバムを借りた。僕がリアルタイムでプリキュアを追いかけていたのは、たしか『Yes!プリキュア5』までだったと思う。僕の地元は田舎なので、テレ朝系列のチャンネルはケーブルテレビに登録しないと見られなかった。そのためプリキュアはTBS系列が代わりに遅れネットでカバーしている放送を観ていた。その当時はTBSで放送しているプリキュアが再放送だということをよく分かっていなかった。その日初めて見たエピソードなのに番組エンディングのプレゼントキャンペーンの締め切りがなぜすでに終わっているのかよく分からなかった。Qさまだってお昼に放送しているものと信じていたし、開運なんでも鑑定団もお昼が本放送だと思っていた。

 『ふたりはプリキュア』から『Yes!プリキュア5』まではたしか土曜あさ7時に放送していて、早起きした日や夏休みの集落でのラジオ体操のあとによく観ていた。だけど、その次の作品である『Yes!プリキュア5GoGo!』からは見る習慣がなくなった。放送時間が7時から11時くらいにずれたからだ。たしか、みのもんたさんの番組が土曜に放送し始めたせいだったと思う。なぜプリキュアを観なくなってしまったのかそのときはあんまり深く考えていなかったけど、今振り返ると早起きしてアニメを観ることに楽しみを見出していたんだと思う。たとえそのあとに二度寝をしてしまってもなんか得したように感じたものだった。その感覚は『はやく起きた朝は…』や『サワコの朝』や『ボクらの時代』につながっているように感じる。

 前置きが長くなった。そのせいもあって、『Yes!プリキュア5GoGo!』それ以降のプリキュアの楽曲は、サビこそ聴いたことがあるものの聴き馴染みのないものが多かった。そのぶん新鮮な気持ちで楽曲を、アルバムを楽しめた。通して聴いた中では、『ハートキャッチプリキュア!』の「Tomorrow Song 〜あしたのうた~」と、『フレッシュプリキュア!』の「You make me happy!」の2曲がお気に入りになった。

 「Tomorrow Song 〜あしたのうた~」はハレルヤが歌詞に盛り込まれたゴスペルを強く志向した楽曲、「You make me happy!」は陰っぽい進行でサビ前までいって、サビから陽っぽい進行と編曲で楽曲が徐々に開けていくように構成されている。「女の子は誰だってLovely Fighter」「心ストレッチしてねPretty Dreamer」というフレーズが素敵だと思う。どちらもよく聴くプレイリストに追加して折に触れて聴いている。

 仕事から帰宅して、トイレでシソンヌのコント「別れ」をYouTubeで観る。気丈に振る舞うじろうさん演じる兄は、端から見るとはみ出した振る舞いをしているように見えるが、その内情を丁寧に描いていて、気持ちが掴まれた。

 同様の経験はシソンヌのコント「うちの息子、実は」でもあった。これも少し前にシソンヌのYouTubeチャンネルにアップされていた。引きこもりの息子と父の対話がコントの主軸になっている。括弧付きの普通や常識みたいなものにコミカルさを織り交ぜる一方で、それって普通?常識?と問いかけるようなシソンヌのコントが好きだ。だけどまだライブには行ったことがない。ライブDVDもレンタルショップでは取り扱っていないことが多いし、Amazonなどのデジタルレンタルでも配信していない。いつかシソンヌのライブに行ってシソンヌのコントを続けて見てみたい。

 『裸一貫!つづ井さん』(2)を読む。以前自室で飛び散らせてしまったプロテインの飛沫が付着してページとページがくっついてめくりにくい。面白い展開になってきたときに次のページがすぐ開けないことがしばしばあって、焦れる気持ちがそれはそれで楽しかった。

 そういえば少し前までプロテインの溶かし方を誤っていた。てっきりパウダーを先に入れて、牛乳などの割りものを後から入れると思っていた。その方法だと、水分に触れない粉が溶けきらず、粉が底にこびりついたままになってしまう。プロテインシェイカーや、プロテインに記載されている飲み方もよく読まないくせに、ザバスのウエイトダウンシリーズは溶けが悪いんだなと勝手に思い込んでいた。

 こういう勘違いは他の人の生活に触れることで気づくんだろうなあと思う。一人暮らしが長くなって、なんとなく人と違うと思う自分の癖が当たり前になってしまう生活に少し退屈さを感じ始めている。自分と異なる習慣に触れてみたいという気持ちが最近ふつふつと沸いている。

 仕事終わりに郵便局に荷物の受取へ。デジカメ用にアマゾンで買ったSDカードの受取。封筒はかなりちっちゃくてポストに入りそうだったのに、今回は再配達扱いになっていた。郵便局員さんのポスト投函する・しないの基準がよく分からない。こないだも『違国日記』6巻は再配達扱いで、『ドラえもん』の4巻はポスト投函されていた。

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 実家へのおみやげにモンドール洋菓子店でバナナケーキを買う。自分用に抹茶アイスを買う。モンドール洋菓子店の店主さんは渋さと愛嬌がある素敵な方でいつも優しくしてくださる。

 帰省前にツタヤでレンタルした藤本タツキチェンソーマン』を1巻から7巻まで読む。以前3巻くらいまでツタヤで借りていたが、この機会にもう一度読み返そうと思って1巻からレンタル。一気に読むとストーリーも一気に記憶から抜け落ちてしまう。たまにノートに登場人物やキャラクターの特徴、キーワードを箇条書きしたりする。物語の途中で岸辺さんというキャラクターが登場する。佇まいが好きだなと思う。そのキャラクターの声は藤原啓治さんがしてくれたら嬉しいなあとなんとなく思ったあと、もうそれは叶わないんだと思う。寂しくなる。

 寝る前に『チェンソーマン』8巻をKindleで買う。7巻まではぎりぎり登場人物が追えていたのだけど、8巻から登場人物がどっと増えて、この人は誰だっけ状態になる。登場人物が覚えられないというのが物語を読む上でずっともどかしい。進撃の巨人もノートにキャラクターのことを色々書いていたけど、途中から登場人物の関係性がよく分からなくなってしまった。漫画の世界だけでなく、普段の人付き合いでも人の名前を覚えるのがひどく苦手だ。

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 『徹子の部屋平野レミさんがゲスト。寂しいなあ悲しいなあ会いたいなあと正直に気持ちを吐露し、明るく悲しむ平野レミさんに胸がつんとなる。和田誠さんが80歳になられたときに週刊文春の表紙のイラストなどの連載をやめようと提案したときの話をされていた。そのときのやめようと提案するときのジェスチャーが和田さんを抱きしめる仕草だった。レミさんの和田さんを労わる気持ちと、長らくみんなの和田さんであり、私の和田さんではなかったことにもやもやしていたレミさんの心情を体現するような仕草だと思った。すごく好きな回だった。ふとしたときにまた一人で見返したいと思い、携帯をパソコンの高さに合うよう本を重ね固定して、TVerの放送を録画した。