なだめる言葉がない

・最近聴いた好きな曲


 Hojeanが3月4日にリリースした新曲「Over 85」を最近よく聴いています。Hojeanはニューヨーク出身の韓国にルーツを持つベッドルームポップアーティスト。現在はジョージアを拠点に活動しています。この楽曲では、報われない切なさが淡々と歌われていて聴くたびに胸がつんとします。

 

 Boyspacefriendsはカリフォルニア州サンノゼを拠点に活動するグループです。Marco、Kevin、Geronimo、Justinの4人が楽曲制作を手がけ、楽曲制作も手がけるGeronimoと、Brian、Johnny、Muj、Ryanがクリエイターとして携わる8人構成のグループです。2月28日にデビューシングル「Excuse Me」をリリース。このMVはメンバーのJohnnyによって撮影されています。ゆったりとしたビートと柔らかい歌声に乗せて息苦しさのある悲しい歌詞が添えられています。次の新曲「Blondey」が27日金曜日にリリースされる予定。 

 

 3/18(水)、姉から郵便でマスクが送られてくる。花粉症対策として買っていたものを譲ってくれた。お礼の連絡をする。

 3/19(木)、夕方、異動の内示がでる。自分の異動はなし。代わりに上司が異動になる。寂しい気持ちはたしかにあるはずなのだけど、でもまあしょうがないよなと思う気持ちの方が優ってしまって、その場でとるべき対応ができない。年齢の近い職場の方が上司の異動を残念に思われて泣いておられて、ますます自分の反応が難しくなる。

 ふと、小学五年生のときの卒業式の帰り道を思い出す。一つ年上の六年生の友達がみな卒業してしまった。それが寂しかったのだけど、このときも卒業式当日には実感が湧かなかった。保育園からの幼馴染みの友達と一緒に下校をした別れ際、その友達が実感を伴い始めた寂しさを対処しきれず、しくしくと泣き出してしまった。その友達が泣いたところをみたのはこのときが初めてだった。どう反応していいのかそういえばこのときもわからなかった。なだめる言葉も持っていないし、なだめてもしょうがないことだとも思っている。

 自分も同じようなことを思っているはずなのに、反応が薄いから他人に無関心だと勝手に解釈されてしまう。そう思われるのは不本意だからそう思われないように取り繕おうとしても結局ボロが出てしまうし、無理に演じるのは自分が苦しいのでそれはしたくないなと思う。何が言いたいのか自分でもよくわからない。

 3/20(金)、久しぶりの1日休み。8時に起床して、枕を洗う。シンクにたまった洗い物を片付ける。朝ごはんはフルグラミロ無脂肪牛乳とBifixのヨーグルト半分。シャワーを浴びて酒粕のパックをしながら、無印のヘアセラムをする。まゆの間の産毛が生えつつあったので剃る。今使っているイヤフォンの充電ケースが昨日の朝から見当たらない。どうにかしていたら出てくるかもしれないと思って洗濯ついでにいろんな衣類のポケットを探ってみたけど出てこなった。そうだとひらめいて、モバイルバッテリーを入れているポーチを探して見るも見当たらず。勢いでヨドバシのオンラインでAirPods Proを購入する。今月残業頑張ったので多少の奮発もいいことにする。

 隔週に一度の頻度でQB Houseで髪を切っている。ここ3回くらいカットしてくださる方が同じで、自分のお願いしたい髪型を先回りして言ってくださるので自分でお願いしているくせに照れてしまってじゃあそれでみたいな感じになってしまう。前回髪を切った際には、aikoさん「milk」と宇多田ヒカルさん「Can you keep a secret?」が流れていて、今回はモーニング娘。ザ☆ピ〜ス!」が流れていた。

 3/21(土)、母から手紙が届く。”ちょっと前から僕に何ということはないんだけどなんとなく手紙を書きたくてうずうずしていた”というようなことと、”まだどうでもいいことを書きたいんだけど、ぼたもちが炊けるからこのくらいにします”、というような優しい言葉が続いていた。嬉しくなる。お礼の電話を夜にする。

 人との関わりにおいて、分からなさと伝わらなさは前提としてあるものだと理解していかなくちゃと頭では思っているのに、つい言葉足らずで自分にも相手にももやもやしてしまう。あれとかこれとか、指しているものはなんとなくわかるけど指示語や感覚的な言葉のやりとりが続くと、確認する作業が必要になってしまってそれが執拗になってしまっているようで、いらいらしてしまう。それと相手の言葉遣いで結局とか普通に考えてとかを多用されたりとか、前のめりに論理立てて話されると、なんかもやもやしてしまう。よくないなあと反省する。それと、100点を目指して頑張ってたものが、その過程で80点になってしまうことが予測されたときに、0点になってしまったと即座に自己評価をしてしまうのもやめたい。

 

 

 3月に入って、NHKオンデマンドのサービス展開が変わった。これまでは見逃し見放題パック(放送終了後〜二週間までの間番組を視聴できる)と特選ライブラリーパック(放送から二週間以上経過〜過去の名作を視聴できる)の二形態で展開していたものを3月1日から一本化した。どちらか1パックだけ加入していた利用者からすれば、これまでの料金でもう一方の特典を受けられることになる。また、2パック併用していた人からすれば、これまでの半額の料金で2つのサービスを受けられることになる。

 個人的にドラマのキャッチアップを目的とする際に、このサービス展開はある程度有効だと思う。(例えば、徐々に盛り上がり話題になったドラマをNHKオンデマンドで追いつこうとすると、これまでであれば序盤のエピソードは特選ライブラリーパックに加入するか、Amazon Prime Videoのようにドラマのエピソードを単品購入し、最新話は見逃し見放題パックに加入し視聴する必要があった。それが解消されたかたちになる。)

 そんなNHKオンデマンドで3月13日放送の『あさイチ』を観た。氷川きよしさんがゲスト出演されていた。

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 これからどんな新しいことをやってみたいかという質問に対して。

 氷川「そうですね、やっぱりたくさんこういう系統の歌(限界突破サバイバー、ボヘミアンラプソディー、確信などの紹介を受けて)も歌いたいなって。演歌はずっとやめないですよ。でも今はそういう時期なのかなって。ロックとかポップとかそういったものを。で、人を励ます言葉を歌いたいなっていう風に思っていて。だからあんまりこう、あの歌にジャンルとか隔たりはないなって。どうしてもカテゴライズしたがるじゃないですか、人って。“演歌歌手・氷川きよし”って。それはありがたいんですけど、でも自分はこれから枠から飛び出して、自分っていうものを、自分の世界っていうものを、やっぱり表現してみたいなっていうのがあって。それが生きがいですし、もうそうじゃないと自分生きていけないと思って。ほんとに苦しかったので。なんか色々歌いたいです。感謝しながら。はい。」

(2020年3月13日放送 NHKあさイチ』プレミアムトークより)

 紅白で乗っていた龍の舞台装置について話している最中の脱線した会話を書き起こし。

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氷川「あ、すいません、これやけどしたんですけどフライパンで。」

大吉「いやいやなんの情報?」

氷川「ほら、ちょっと傷が。」

華丸「何をつくってた?」

氷川「あの、いや、トマトソースをつくってたら、飛んじゃったんですよ、ソースが。ピチャピチャって。で、拭いてたんですよ、雑巾じゃなくて台拭きで、はい。で、それでジュッてやって。手冷やさなかったからずーっと跡に残ってて、これ。」

大吉「ごめん、(今は)龍の話。トマトソースの話は今度聞こうか。」

(2020年3月13日放送 NHKあさイチ』プレミアムトークより)

 

 3月に入って、嬉しかったことがもう一つ。有吉さんのテレビ東京のゲーム番組『有吉ぃぃeeeee!』が諸々の権利問題をクリアし、TVerで配信が始まったこと。これまでテレ東のYouTubeチャンネルでYouTube用に編集された動画しか観ることができなかったので嬉しい。この番組は2018年10月から始まった有吉さん、タカアンドトシのお二人、アンガールズ田中さんが出演するゲーム番組。

 番組構成(街ブラ、商店街などで手土産購入、ゲストのお宅訪問、ゲームプレイという基本構成)、差し込まれるイラスト(プレイするゲームや出演者に合わせてイラストが頻繁に変わる、イラストレーターさんの細やかな仕事っぷりがすごい)やSE、オンラインゲームの場合視聴者に参加を呼びかける双方向的な番組展開、予告、YouTubeチャンネルでの番組資金の捻出、番組SNSの運用など、番組としての展開が現代的で楽しい番組。企画内容によっては、ギャラクシー賞を獲ってもおかしくないくらい良質な番組だと思う。街ブラロケをして手土産を買い芸能人のお宅へお邪魔する様子は、世代関係なく、懐かしさや親しみを感じる。また、ほかのバラエティ番組ではEDクレジット後に使われるおまけシーンを番組中盤のCM前に使うところが個人的に気に入っている。

  特に好きなのはモト冬樹さんのスーパーマリオメーカープレイ回。先週の放送では総集編の扱いなのにモト冬樹さんのお宅へわざわざお邪魔して新しく映像を撮り、既存の映像と新録の映像とを織り交ぜながら振り返る番組構成になっていて、総集編なのに力を入れていてすごいと思った。

 

 3月20日放送の『久保みねヒャダ こじらせナイト』では久保ミツロウさんが映画『ハスラーズ』について話していた。

 久保「ちなみに私が最近観て面白かったのは『ハスラーズ』です。ジェニファーロペスのケツがまあ最高。ハスラーズのポスター実は素晴らしいんですよ。ここは映画の宣伝会社が頑張ってる。絶対メインのキャストもうちょっと浮かび上がらせるところを、全員同じ大きさでやってるんですよ、JLoでさえも。もうね、そこがね、いいな〜って思う。全員が主役のようにこうやってバンって出してるあたりがたまらないし、アタシは『パラサイト』と『ハスラーズ』観たら、『ハスラーズ』の方がちょっと残るものが強かったですね。脚本も女同士の友情というか絆が深まっていくところのまあ全ての説得力が確か。ここが男の人の監督がやったらうわぁ女って怖ぇ、裏で何考えてるかわかんない、表ではにこにこしてるけど裏でどう裏切るかわかんないみたいなものになりがちなものを、絶対に強い女の絆と惚れる瞬間っていうのがまあ最高。」

(2020年3月20日放送『久保みねヒャダ こじらせナイト』より)

 ここから話題は千葉雄大さん、松下由樹さんへと転がっていく。話題の可動域の広さが久保みねヒャダの凄みだと思う。

 

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 金曜日と土曜日、図書館から借りたドメニコ・スタルノーネ『靴ひも』を読む。新潮社の新潮クレスト・ブックスシリーズはこれまでいくつか読んできたが、その中でも特に好きな作品だった。妻・ヴァンダと夫・アルド、それから娘・アンナの視点でそれぞれ紡がれるエピソードには、白黒がつけられない、落としどころも見つけられない問題が山積していた。

 いつだったかは憶えていないが、かつて確かに私が下線を引いた文章を読むともなしに読んでいた。不思議でならなかったのだ。なぜその言葉を丸で囲ったのか。今読み返してみると大して意味がないとしか思えない文章の脇に感嘆符が書き込まれているけれど、なにが私にそうさせたのか。目を覚ましたヴァンダを落胆させないように片付けを始めたことなど、いつしかすっかり忘れていた。(中略)

 そして、過去に自分が引いた下線に夢中になっていた。何ページもの文章を読み返し、それぞれの本を読んだのは何年のことだったのか(中略)を思い出そうとしていた。読み返しながら私が追っていたのは、そこに書かれた作家の意識の動きではなく(中略)己の意識の動きだった。すなわち、かつての自分にとって正しいと思えたこと、抱いていた信念、思想、形成途上の自己だったのだ。

(ドメニコ・スタルノーネ『靴ひも』より)

 昔から私は、父親に暴力を振るわれている母親の苦しみを見てみぬふりをするように仕込まれてきた。いつしかそれがすっかり習い性となり、その場にいても、怒鳴り声や罵声、平手打ちの音、泣きわめく声、連禱のごとく繰り返される方言での泣き言 ーここから飛び降り下りて、死んでやるー を消すことができるようになった。両親の声は一切耳に入らない。視覚に関しては、目を閉じさえすればいい。この幼くして身につけた術を私は生涯さまざまなシチュエーションにおいて使いつづけたが、とりわけ当時は、その能力がすこぶる役に立ち、頻繁に駆使していた。自分の中に空洞をつくりだし、自分自身を空っぽにするのだ。絶望的な状況に陥るたびに妻や子どもたちが現れてくるのだが、私には彼らの姿が見えていなかったし、声も聞こえていなかった。

(ドメニコ・スタルノーネ『靴ひも』より)

 

 3月からPodcastを始めました。好きなことや気になったことをぼそぼそと録音していきます。よろしければ聴いてみてください。内容があまりに個人的なことだからというのもあって、ApplePodcast審査がおりません。なのでしばらくはSpotifyをメインに配信しながら、ApplePodcast登録を目標に続けてみます。

 次回は2020年春ドラマについて収録予定です。