【雑記】10月の里帰り

 10/19、帰省の話。6時前に母が僕の帰宅に気づく。起こされる。来月の法事に向けて、仏間と客間の障子を張り替えたらしく、朝から自慢される。上手だったので褒めたら喜んでいた。母と居間に移動して、最近の近況をぽろぽろと喋る。そういえばはなれの脇にある脚立や農機具をはなれの屋内にしまいたいと母が言うので、外に出てしまうのを手伝う。

 この日の朝ごはんは何を食べたか忘れてしまった。『サワコの朝』のゲストは安住紳一郎さん。母と一緒に観た。帰省した土日の朝は、母と『サワコの朝』と『ボクらの時代』を観るのが習慣になっている。そういうわけで、できれば土曜朝イチで帰りかけるんじゃなくって、金曜夜に移動するようにしている。それと朝起きてきた父にコーヒーを淹れる機会が土日と二回作れるのもある。朝ごはんを終えた祖母とおしゃべりしながら、資源ごみコーナーに溜まった新聞や資源ごみをくくる。

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 元自室には買っていた漫画をいくつか置いている。その中によしながふみきのう何食べた?』がある。帰るたびに母が少しずつ読み進めているのが視覚的にわかる。

 お昼ごはん前に、レンタカーで出かける。倉吉の洋菓子屋さんでお菓子を買う。レンタカーで帰ると、日中好きなときに思い立って行動できる。バスで帰るより多少費用が増してもしょうがないと思うようにしている。東巌城町にあるウールドゥガトーへ。マロンとヘーゼルナッツのタルトといちじくのタルトを3つずつ買う。移動して、新町にあるジョンヌでシュークリームを6つ買う。それぞれ実家と姉の家用。

 この日の昼ごはん。鯵の塩焼き、ほうれん草の白和え、焼売、しいたけのお煮しめ。帰ってきてから、父の姉たちがうちに来る。今朝の睡眠不足が影響してか、受け答えが億劫に感じたので、親戚用にコーヒーを淹れて、元自室で休むことにする。56人分一気に作ろうと欲張ったらペーパーフィルターがつまって時間がかかる。そそくさと二階に上がり2時間くらい寝る。下では親戚が集まって話している声が聞こえる。

 昼寝から起きる。母の姉にあたる叔母の家に母と一緒に行く。仏間に線香をあげて、叔母と叔父と母と4人で話す。この日出してもらった茶菓子が美味しかったのだけど、メモするのを忘れてしまう。帰りがけに、梨の品種である王秋を40個くらいもらう。K野さんにLINEしておすそ分けする約束をする。普段SNSなどで仲良くしてもらっている人たちがもしも近所に暮らしていたら、おすそ分けしに行くのになあと口惜しく思う。叔母の家に訪れている間にご近所が顔を出される。その方からもさつまいもをたくさんもらう。

 実家に帰宅。晩ごはん前に、兄に録画してもらっていた『おげんさんといっしょ』を父と観る。この番組の雰囲気と、昨日山下達郎さんのライブで「クリスマス・イブ」を聴いたのとが相まって、まるで年末気分になる。すっかり年末の紅白歌合戦が楽しみになってしまう。Googleカレンダーに紅白の予定を追加する。

 この日の晩ごはん。白ごはん、しじみの佃煮、なめことしめじの味噌汁、ゴーヤーチャンプルー。晩ごはんのあと、両親が日中買ってきたケーキをテレビを観ながら食べていた。父はいちじくのタルトを、母はマロンとヘーゼルナッツのタルトを食べていた。

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 10/206時半に起床。フジテレビ『ボクらの時代』を観る。大きな夢を語る又吉さんに対して、西野さんが発したツッコミ「どんなハンサムが言うてるつもりやねん」が印象に残る。そういう従来のツッコミの方向から少し向きを変えた言い換えがこの時代ではあるんだなと思う。

 起きてきた祖母の歩いた廊下が濡れていて光が反射していた。母にフローリングモップのありかを聞いたら、どうやらその状況を勘づいたようで、そのあと拭きにいったらすでに拭き取られていた。こういうところでも母に母を押し付けてしまっていて申し訳ない。せめて実家だけでも気づいたらささっと行動したい。

 午前中、母は集落の草刈り作業へ、父は敬老会の手伝いで出かける。仏間と客間と祖母の部屋の掃除機をかける。朝ごはんを食べたあと、新聞をぺらぺらめくる祖母とおしゃべりをする。実家で両親が出かけてしまうと祖母は話し相手がいなくなってしまう。兄たちは祖母と同じ場所にいたとしても、ほとんど祖母の喋り相手をしない。父はどこか会話にかどがあるように思うし、母は祖母に対してすごく気を配っているけど、それで祖母がのびやかに会話できているかいうとそういうときもあればそうじゃないときもある。週に2回デイサービスに行っているけど、そこでできることと祖母自身がしたいことはやっぱり違うと思う。手持ち無沙汰を感じたり、退屈していないかな、と岡山で暮らしていてもふと心配になる。

 この日は祖母を誘って二人でドライブをする。目的地は夏に会話したときに話題に上がった山の上の展望台。普段であればそういう誘いをしても、ふふっと愛想笑いをされて流されてしまう。だけど、今日は僕が二階で出かける準備をして下に降りたら、すでに玄関で靴を履いていた。嬉しくなった。その山は、祖母が高校生の頃によく友達と行ったり、一人で歩いて行ったりしていたところらしい。道中、道の脇に自生する植物について話題にしたり、勾配がきつくなる道や、アップダウンのある道について事前に注意を促したりして目的地へ向かう。

 ナビに案内され目的地に到着するも、車で上がれるような場所ではなかった。かなり険しい道を行った先にその展望台があることがわかる。祖母と一緒に途中まで行ったが、それ以上行くと獣道になってしまい、祖母にかかる負担が大きくなってしまいそうだったので諦めて帰ることにする。

 祖母は目的地に到着した当初、その土地についてあまり覚えていなさそうだったが、帰り道に「ここは○○だな」と、ナビに表示されるその土地の名前を口にしていた。そういうことは鮮明に覚えているらしい。それともじわじわと何かがあぶり出されてくるのだろうか。口にする地名の中には、ナビに表示される名前に近いが、異なる土地名を口にしていたものもあった。そのことを帰ってから母に話すと、市が合併した際に、2つの市に同名の村があったため、合併の際に差別化を図る目的で地名を変更したということを教えてもらう。

 トイレの問題などもあるので、祖母と出かけるのには制限時間がある。そこにはもちろん配慮したいし、祖母の尊厳を損なうようなことは絶対したくない。それでも対策をすれば出かけられることに変わりはないし、僕も祖母も気分転換が多少なりともできるのだから、今度はまた違うところへドライブしたい。

 今回帰って来たときから、玄関の引き戸がつっかえていた。気になって、扉を外し、母と油をさすもあまり効果はなかった。祖母が近所の散歩に出かけるときに扉を開けられるか心配になる。

 この日は夕方から岡山で折坂悠太さんのライブに行く予定。2時くらいには実家を出る算段で、お昼を食べた後に撮り溜めていた『ボクらの時代』を観る。 

佐藤B作さんに柄本明さんは芝居をそんなに観に来なくてもいいという発想だからと言われて。

 柄本明「いや、そんなことはないですよ。観に来てもらいたんだけど、なんかでもさ、切符って売れる?つまり『見に来てください』ってさ、本当に言える?なんかさ、そこらへんがさ、恥ずかしいっていうか、上がりがいいとか、悪いじゃなくて、『私の芝居見に来てください』ってこうやってさ、言えるか言えないか。俺やっぱり言えないよね。まあ言うんだけど。言うけど、なんか恥ずかしいっていうか。だからもちろん『見に来てくれ』とは言うんだけど、それと同時に見てもらうのは恥ずかしいっていうか。」

2019929日放送 『ボクらの時代』より) 

 柄本「俺、なんかわりとウケるウケないっていうことでいうと。なんだろう、ウケないっていうことは、そんなにいけないことなのかなあ、っとかって考えたりするんだよね。まあ、最近はそうでもないんだけど。昔こうやって芝居やりながら客席見たりするのが好きで。そうすると必ず寝てるお客いるんだよね。だからそうしたものを見たときに、逆に安心する。なんだろう、なんかさ、結局みんなこういうふう(拍手する様子)になったらさ、それは何かおかしいよ。それはそれぞれだもの。」

2019929日放送 『ボクらの時代』より) 

YOUさんの演技について話す是枝監督。

 是枝「でも、これは格好悪いからしたくないっていうのはすごく明快に美学としてあるよ。それはすごくいつも正しい。作品にとって、自分にとってじゃなくて。最初からそうだよ。『誰も知らない』のときに、朝寝てて、子供が寝てる横顔見てたら、ちょっとつって涙が、母親のYOUさんのここに涙が。で、起き上がってちょっと伸びをするみたいな。やってくださいって言ったら、『ん?それは何?泣いてるの?どうなの?いや、アタシ何が悲しいの?』つって。」

是枝「いや、悲しい、子どもには悲しい、そういう涙に見えるかもしれないけど、まあ母親としてはそれはいいです、あの朝あくびでいいです、っていう話をしたら、『うん、まあそれならやれる』って。『悲しいっていうのを演技で何か見せるのは何か違う気がする』って。あ、それがすごい正しいって思って。いやいや、で、そういうのあるとやっぱ信頼できるじゃないですか。」YOU「生意気クソ生意気….髪なんていくらでも切ります」

2019106日放送『ボクらの時代』より)

 家族は身内だけどやっぱり他人。他人だけどそのほかの他人よりも微細にその人の機微を捉えられて、その生活の距離的近さをうまく利用して、時に不躾にも話ができるしできてしまう。その微妙で厄介な関係がなんだかんだ好きなんだとふと思う。

 帰る頃になって母が僕におみやげとして、シフォンケーキを焼いてくれて1ホール手土産に持たせてもらう。祖母と母に見送ってもらって岡山に戻る。帰り道はTOKYO FM山下達郎のサンデー・ソングブック』を放送していたので聴きながら帰る。今度は11月に祖父の法事に合わせて帰省する。実家に現像した写真送るまでが帰省。

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