【雑記】あわいゆくころ

8/9、うちには荷物の配達ボックスがない。そのため、運送業者の方がポストへ入れた不在通知をもとに再配達依頼をしたり、近くのコンビニに配達してもらったり、郵便局まで受け取りに行ったりしていた。ところが、最近は佐川や郵便局ではない運送業者の方が荷物を届けてくださることが増えてきた。その運送業者の方は、電話して本人確認ができたら、「ベランダに置いておきますね」と言って、直接受け取る手続きなく荷物を置いていってくださる。これまでは帰り道に運送業者の方から電話があって、今帰ってる最中で10分後には着きますと伝えても、じゃあ不在票入れとくんで、と荷物を持ち帰られてしまった苦い経験が何度かあった。帰るとベランダの室外機の上にアマゾンの段ボールが置いてあるのは本当にありがたい。


8/10、映画ボランティアにいくために岡山駅から電車に乗る。1時間ほどして終点に着いたようなので場所を確認すると、海の街の景色ではなく緑の豊かな光景が窓の外に広がっていた。乗る電車を間違えてた。備中高梁まで来ていた。ボランティア先にお詫びの電話を入れて、お昼からチケットもぎりや窓口対応をした。


8/11、起き抜けにニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン』を聴く。若林さんのツッコミ誘導ボケがこまめ。結婚をされてむつみ荘から離れ、春日さんの人生が動いている。それを向かいで聞いている若林さんを想像する。

 出かける前にシャワーを浴びて、パンツ姿で日焼け止めを塗る。日焼け止め塗り慣れしていないので適量が分からずそれっぽく塗る。日焼け止めはちふれで買ったやつ。

 イオンシネマでジョン・ファブロー『ライオン・キング』を観る。シンバに共感できない。なんだかもやもやする。それを言っちゃしょうがないのかもしれないけど、物語を進める上で重要な何か真実を知るきっかけになるものが、どうにもこうにもご都合主義な気がしてしまう。それは例えば、シンバが生きていることをラフィキが知るシーン、ラフィキが手ほどきをしてシンバの中のムファサと対話させるシーン、スカーがぽろっと真実を口にしてしまうシーンとか。シンバがプンヴァ・ティモンと一緒に暮らしていた期間はどのくらいなのだろうか。シンバが国を離れ、スカーやハイエナたちが政権を獲得している期間中、食欲は満たされたとしても、性欲はどうしていたのだろうかとか。終盤の雷による火事もあんな崖の周り全域まで燃え広がったりするんだろうかと思ってしまう。気になるところもちらほらあったが、プンヴァがハイエナと戦う際、ボディポジティブな発言をしていたのが映像以外での作品のアップデート部分なように思えた。

 スタバに立ち寄り穂村弘『鳥肌が』を読む。「記憶の欠落」というエピソードがあって、パッと思い出せない人名の話をされていた。僕は染谷将太さんと福士蒼汰さんの名前がパッと思い出せないことがある。人名ではないが、色のグレーがぱっと言えないこともある。ねずみ色が思い出せてカタカナに変換しようとすると、グレーよりも先にネイビーが思い出されて、そこから想像が行き詰まってグレーが引っ張り出せない。

 あとがき部分が印象に残ったので書き起こし。

 苦しみとおそれは違う、と思う。苦しみには実態があるがおそれにはない。おそれは幻。ならば、おそれる必要などないではないか。おそれてもおそれなくても、苦しむ時はどうせ苦しむんだから、その時に初めて苦しめばいい。今はただ勇気を出して、目の前の人生に、変化しつづける世界に立ち向かえ。飲み会では酔っ払って、どんどん盛り上がって、いつもと違う己を出すんだ。と思うけど、できない。どうしても、その手前でびびって消耗してしまう。誰にも話しかけられずに、時々お酌をして、あとは眼鏡のレンズを拭いてばかりいる。

穂村弘『鳥肌が』より

 これまでの自分の人生に本当の苦しみはなかったと思う。ただ、幻に怯えていただけだ。私の人生を四文字で表すならびくびくだ。最後の日に叫びそうだ。いったい何をびびっていたんだ。今まで何をやってたんだ。どうせ死ぬのに。今日死ぬのに。なんなんだ。と。おそろしい。本書には、そんなびくびくのあれこれを書いてみた。

穂村弘『鳥肌が』より

 この最後のあとがきを読んだときに頭の中に流れた音楽が二曲ある。一つは空気公団倉本美津留さんが一緒になったグループくうきにみつるの「返事」。この曲の作詞はやなせたかし先生がされていて、大学生の落ち込んだときによく聴いていた。それともう一つはKETTLESの「何をやっていたんだ」。これも大学生の頃によく聴いた曲で、なんだかくすぶっているなと感じたときに聴いていた曲。落ち込んだときはどちらも今でもたまに聴いたりする。

 読書を続ける。読むのはK野さんから借りたジェーン・スー『私がオバさんになったよ』。ラジオなどで悩み相談を受けていることが話題になった際、スーさんが「あと『こうしたらいいんじゃない』は言わないようにしてて、あなたが言ってることを整理するとこう聞こえるけど、どう?とかにする。」という話をされていた。それと、作家デビューをしたときの書くことがセラピーだった頃を少しずつ脱しつつあるときに何を書いたらいいのか分からなくなったときがあるという話が印象に残った。

 夜、ラジオ体操と筋トレをして、Bruno Mars『24K Magic』を聴きながら走る。アルバムタイトル曲「24K Magic」2番サビ終わりからそれまでのディスコやR&Bのビートからブレイクダウンして、ヒップホップのビートでつないでラストサビへ持ち上げていく展開に、高揚する。走るペースが思わず速くなる。そのあと20時になってJFN有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』を聴く。今日は合計10kmくらい走った。ラジオで有吉さんが8月8日夕方から配信が始まったNetflix『全裸監督』を8月10日夜にはもう観終わったことを報告されていた。ナイスですね〜と番組中ずっと言っていた。お仕事でいろいろお忙しいだろうにすごいな~と尊敬した。

 そのあとサウナへ。サウナのテレビでは『行列のできる法律相談事務所』を放送していて、小池栄子さんが口元を隠さず、豪快に笑う様子にきゅんとした。『おしゃれイズム』ではGENERATIONSの方達が出演されていた。小中学生の頃のメンバーの写真を話題の種にしてそれぞれエピソードトークをしていた。中でも、関口メンディさんが小4の頃の写真でエピソードトークをしたあと、この頃痔に悩まされていたという話をされていた。他のメンバーとのバランスをとった話題を持ち出す人柄が素敵だなと思った。それと今朝の排便でお尻がちょっとじんとしたので、関口さんに少なからず共感した。

 そういえば、三代目 J Soul Brothersの新譜『SCARLET』のカップリング曲「GOLDEN」が好きで繰り返し聴いている。メロディが2クールアニメの後半期のオープニングみたいな雰囲気がある。それとダンス寄りになっている編曲がもっとポップス寄りになったら、V6が歌っても似合うなとか思いながら聴いたりする。なにか楽曲を聴くときに、もしもを考えて聴くのが楽しい。これをほかの誰かがカバーするならとか、ここの歌詞がもしもこういう言葉選びだったら意味合いがどう変わるかとか。

 これまでLDH関連のグループや楽曲は、かなり穿った見方をしていたところが正直あった。EDMやダンスもそうだし、最近ではヒップホップのトレンドを後追いしかしてないじゃないかとか思っていた。でも、最近はLDHをはじめ、ジャニーズとかアイドルとかそういうのを斜めからとらえないように、興味関心を自分から狭めないようにしている。これも自分を矯める練習。

 そんなことを考えながら、サウナと水風呂と外気浴を繰り返して、さっぱりした気分で更衣室へ。髪を乾かすとき、ふと周りの人の髪の乾かし方を見て、自分はドライヤーの使い方が下手だなあと思う。手ぐしで毛先を調節したり、指先で毛先をくるくるしたり、髪を持ち上げて毛根のあたりに風がいくようにドライヤーをあてたりされている。映画でも同じようなことを感じたことがあって濱口竜介寝ても覚めても』の東出昌大さんがドライヤーで髪を乾かすシーンがたしかあった。そのときもドライヤーの使い方が上手だなあと思いながら見ていた。

 帰ってから冷凍庫にあったガリガリ君リッチ チョコミントを食べる。今日の夕方イオンスーパーで買った。日中気温が高かったため、急いで帰ったのに帰り道の間にちょっと溶けていた。運動をしてサウナに行ったのもあって、いつもよりも美味しく感じ、また後日、日を分けて食べようと思って買っていた2本目のガリガリ君に手を伸ばしてしまった。寝る前に歯磨きをしながら反省する。


8/12、6時20分に起床。顔を洗ってラジオ体操に行く。ラジオ体操第二の終わりの腕を振って脚を曲げ伸ばす運動をしているときに、自転車で大慌てで中高生っぽい男の子がやってくる。滑り込みで最後の動きである深呼吸をしていた。そのあと、その子は運動公園内にあるバスケットコートでバスケをしていた。バスケがメインで、ラジオ体操はおまけというかボーナスなんだろうな、と想像して安心した。

 TOHOシネマズ岡南でやっている午前十時の映画祭10でジュゼッペ・トルナトーレニュー・シネマ・パラダイス』を観るために、岡山駅前に向かう。駅前で2Lペットの焼酎を枕に寝ている人を見かける。ロック。この映画を見るのは実は初めて。振替休日かつ月曜日ということもあって、開館前から多くの人が並んでいた。トトがローマへ旅立つ際のアルフレードの言葉に胸を締め付けられた。

 帰ってくるな。私たちを忘れろ。手紙も書くな。郷愁に惑わされるな。すべて忘れろ。我慢出来ずに帰ってきても、私の家には迎えてやらない。分かったか。

ジュゼッペ・トルナトーレニュー・シネマ・パラダイス』より

 映画館の待合室で、瀬尾夏実『あわいゆくころ─陸前高田、震災後を生きる』を読む。

 でも、と思う。これからもうすこし時間が経って、”復興”の完了したまちでの暮らしが当たり前になったとき、平らになった地面から何かを形づくっていくまでの”あわいの日々”が圧縮されて遠ざかり、おぼろげに消えていってしまうのではないか。語られないものは移ろいやすい。生死の境界を目の当たりにした人びとが、かつての営みと”これから”を繋げようと必死に生きた、あわいの日々が見失われてしまったらどうなるだろう。

 (中略)

 ”復興”は途上だけれど、いま、ある位相が切り替わる時期が訪れている。と、私は言ってみる。そして、あの”あわい日々”と”これから”を一度切り離すことで現れなおすものたちを、できる限りすくい上げておきたい。埋もれて消えてしまうにはあまりに惜しい又とない発明の数々を、さまざまなものが交差し、芽吹きの土壌となっていたやわらかな場を、誰かに共有したいと願う。どこかで立ち止まりたいと思いながらも、私が”旅人”であり続けたのは、こういうことができるようにしておくためであったはずだ。

 正直に言えば、私はいま、進んでいく人たちの”これから”の姿を、引き続き描くことを選ぼうとしている。きっといままでとは違う旅の仕方が必要になる。だから、その新しい旅の前に、七年間のメモを見返し、”あわいのころ”をもう一度歩き、書いていく。

 (中略)

 誰かが忘れずに、覚えてくれるように。そして同時に、誰もが忘れてもいいように。

瀬尾夏実『あわいゆくころ─陸前高田、震災後を生きる』より

 この部分を読んだときに、最近聴いたBarney ArtistのFall Awayの歌詞の「Writing lyrics to forget how I feel」という部分が頭をよぎった。

 TOHOシネマズ岡南から岡山駅への帰りのバスが小学校のときの社会見学のときのバスの匂いを思い出すような、苦手なにおいがする。車酔いする。小学校の時の社会見学とか乗るバス、なぜか照明がシャンデリア仕様だったのを思い出す。経済が上向いている時代の産物っぽくて、小学生の自分たちに全然見合っていないと当時苦い気持ちになっていたのを思い出す。

 日暮れが早くなってて切ない。

 家に帰ってゴーヤチャンプルーを作る。薄口醤油の加減がいまいちで、薄味で箸があまり進まなかった。2人前作ったので、フライパンに残った残り一人分に醤油を振りかけてタッパーに詰める。

 Netflixでライアン・マーフィーなどが手がける『アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺』を観る。主演を務めるダレン・クリスの第1話の車中での約1分くらいの演技が圧巻で、思わず笑ってしまう。

 風呂に入るとき、今月号のTarzanに載っていた温冷交代浴というのを家で試してみる。40度くらいのお湯に3-5分くらい使って、冷水シャワーを1分浴びるというのを3セットくらいするもの。浴槽で5分ドラマを観て、冷水シャワーを浴びて、を繰り返す。気持ちよかったのでまた試したい。


8/13、6時半起床。今朝の夢に高校1年から浪人生の頃まで片想いしていた同級生の友達が出てきた。その友達と両想いになる夢だった。多分今まで見た夢の中でも一番くらいにロマンチックだった。客観的に考えると、多分に夢補正が入っているので気恥ずかしいが、自分が彼に告白したときに、その友達からも会ったときからいいな、好きだと思っていたと夢の終盤に言われ、顔から何まで、内側から体温が一気に上がるのを感じた。と同時に、夢の中ですらこれはちょっと出来すぎてる、こりゃ夢だな、と自分でも気づき始める。

 その友達とは高校一年生のときに同じクラスで、出席番号が一つ違いだった。控えめで、伏し目がちで、物腰が柔らかい。頭も柔らかくて、物を大事にする(高1から浪人生のころまでずっと同じナイキの黒いエナメルバッグを使っていてきれいなままだった)、携帯は持っていなかった。ふんわりした髪の毛を右手でわさわさとさわる仕草が愛らしい、帰宅部の素敵な人だった。雨の日はお互いバスで通学していた。住んでいる方向が反対なため、停留所は道路を挟むが、たまにそのバス停のところまで一緒に帰ったりした。でも本当は、そのバス停より一つ手前のバス停が僕が高校へ行く際に降車するバス停で、帰りだけその友達に合わせてそのバス停を使っていた。自分が行きで降りる停留所と帰りにその好きだった友達に合わせて乗る停留所とは運賃は60円ちがう。それは言わなかった。

 大学三年生のときにバリー・ジェンキンス『ムーンライト』を観て、その当時の気持ちをぶわっと思い出した。映画の終盤、シャロンとケヴィンが邂逅し、いっしょにご飯を食べるシーンでは息をするのを忘れるくらい、感情が高ぶった。帰り道しばらく物思いに耽りながら、近所の居酒屋の看板をぼんやりと見るともなく見ながら歩いた帰り道を今でも覚えている。その友達は予備校を卒業するまで携帯をずっと持っていなかったので、連絡先を知らないまま。何かのきっかけで再会する機会があったら、またゆっくり話したい。寝起きにそんなことを思った。

 テラスハウスの12話を観ながら、米2合を研ぐ。とうもろこしと大麦を加え、塩を小さじ1/3くらい振って炊飯する。

 今日は出勤日。三連休明けで午前中はその立ち上がりで終始し、午後は五連休に向けた浮ついた気持ちで終始した。

 帰り道ニトリで取り置きをお願いしていた保冷・保温ランチバッグの受け取る。いつ貯まったのかわからないポイントを使って買えた。

 

8/14、ニッポン放送星野源オールナイトニッポン』、今日の1曲目はAriana GrandeのBoyfriendだった。クリーンバージョンだった。

 図書館で借りたあべ弘士『クマと少年』を読む。囲炉裏の上で燻された鮭。絵本の表紙をめくった見返しにはアイヌ地方の植生や動植物が描かれており、それを読み手がすみずみまで味わうことができるように、司書の方がカバーフィルムを工夫して貼っておられて、いいなと思った。

 実家へ帰省するバスの中でおせんべいの匂いがする。真庭パーキングエリアで休憩。パーキングエリアのCD・DVDコーナーが好きで目当てのものがなくてもじっと見てしまう。水を買ってバスへ戻る。

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