【雑記】ひかりの中からこんにちは

 この日記をつけ始めることの背中を押してくれたのはヤマシタトモコさん『違国日記』の高代槙生さんだ。

・・・いや・・・ええと・・・うん

日記を・・・つけはじめるといいかも知れない

この先 誰があなたに何を言って・・・

誰が何を言わなかったか

あなたが今・・・何を感じて

何を感じていないのか

たとえ二度と開かなくても

いつか悲しくなったとき

それがあなたの灯台になる

ヤマシタトモコ『違国日記』(1)より

 

7/4、朝、トマトと豚肉、おくら、大葉のマリネを作る。完成品をタッパーに小分けして詰めて、その一つをお昼ご飯に持っていく。保冷剤をいつもより一つ多く保温バッグに入れる。今朝はこのマリネを作っていたのもあって、ほかに朝何かする時間がなかった。出かける30分前くらいに水筒に入れるお茶がなくなっていることに気づき、急いでお茶っ葉を入れた水出しルイボスティーを水筒に入れた。職場で飲んだらほぼ水で美味しくなかった。水出し茶を淹れるのは寝る前に。心に誓った。

 職場の人から実家から貰ったんよ~とジャガイモをおすそわけをもらう。嬉しい。家に帰ってバター醤油炒めとじゃがいもの酢の物を作った。じゃがいもの酢の物は白ごはん.comに載っていたものを真似して初めて作った。美味しかった。

 イオンスーパー内のパン屋さんで明日の朝ごはん用に、ちぎれるミルキーフランスともっちくるみパンのおつとめ品を買う。閉店時間ぎりぎりに行くと、パンがさらに割引になって50%オフになっていた。

 人の肩と肩甲骨周りとうなじの生え際を見るのが好きでつい目で追ってしまう。やめたい。

 私は肌が弱い。最近かみそり負けしてあごまわりがちょっと荒れ出したので、火曜から顎の髭剃りをさぼっている。あごまわりが無精髭だけど周りの目は気にしない。

 夏場になって職場の人たちのシャツの丈が長袖から半袖になっていく。私は変わらずユニクロの長袖のノンアイロンシャツばかり繰り返し着ている。ずっと長袖。二の腕の鮫肌が恥ずかしいので、出来るだけ職場で半袖は着たくない。ユニクロがノンアイロンシャツを長袖のみで展開してくれている間は理由をつけて逃げられる。

 部屋の湿気がすごいので、最近は帰宅するとすぐエアコンをつけてしまう。ドライモードは電気代が一番高いらしいよ、と職場の人から言われたけど、冷房じゃなくてドライモードにしてしまう。掛け布団をコインランドリーに持っていきたい。

 7月に異動されてきた方は、部署が違うときに話したことがきっかけで一度飲みに誘ってもらったことがある。失礼な礼儀正しさを上手に振る舞える方で、ごめんとありがとうがさっと出てくるのでかっこいいなと思う。僕は失礼にならないように気をつけすぎて、無愛想で、でも時に愛想が変によくて、場合によってはむしろ失礼な態度を取ってしまっている。

 

7/5、今担当してる業務のお相手の人がしんどい。自分でも何がしんどいんだろうと考えてみると、その人の中での常識がさも多くの人の間で共有されている常識であるかのような前提で話しかけられるのがむずむずするのだと思う。何か問い合わせがあるたびに、ああ、またか、しんどい、と思う。だけど今日はあの人から連絡来るかもなあ、ああ、しんどい、と先々のことを案ずる暇もなく、30分くらいの間隔で次から次へとその方からの問い合わせがあって、不思議なことに途中からそれまでのしんどさが薄らいでいった。最後の方なんかはちょっと砕けて話せるようになっていてますます不思議だった。最後の方で、そうか、不安を認知して、自分の中で増幅させるから、より不安になるんだよな、と自分の思考回路がちょっとわかった。そんな風に頭では分かっても、多分週明けは元通りになっていると思う。

 仕事終わりにスタバの香る煎茶のアイスティーを飲んだ。ほのかにマスカットの皮みたいな青い香りがしておいしい。ティバーナとのフローズンティーが販売されている間だけ販売されるメニューらしい。水曜日の仕事終わりに図書館で再び借りた滝口悠生さん『高架線』を読む。

 相手がいなければ、自分だけの問題なら、柚子ちゃんのことを許せると思っていたんだけど、いざ本人を目の前にした時に、どんなふうに柚子ちゃんを許せばいいのかわからない、みたいなことを茶太郎は言ったけれど、私には根っこのあたりからよく意味がわからなかった。許すというのは、そんな一方的なものではなくて許す相手や事柄に向ける相互的なものではないのか。滝口悠生『高架線』より

 ふと時間を見ると2120分。実家への電話を昨日も今日もしそびれた。

 柚子子が茶太郎のことを相談しにきた時、私が口出しできることは何もない、と突き放した。けれど、茶太郎の話で聞いていた、彼女の魅力をすっかり奪ってしまったらしいデモや署名活動については、楽しくないなら休んだ方がいいよ、と言った。私がそんなこと言っていいのかわからなかったが、茶太郎がずっと言いたくて言えずにいたのはそれだろう。柚子子の顔が少し安心したように見えて、私はやっぱり言ってよかったと思った。彼女は二歳下だけど、同じ福岡の出身だった。滝口悠生『高架線』より

 レイトショーで菅原伸太郎『いちごの唄』を観た。岡田惠和さんが脚本なのもあって、宮本信子さんや和久井映見さん、光石研さん、泉澤祐希さんなど『ひよっこ』のキャストがあちこちに登場していた。中学生役に出演していた大西利空さんは『ぼくのおじさん』『昭和元禄落語心中』で、蒔田彩珠さんは『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で印象に残っている役者さんだった。

 石橋静河さん演じる同級生のあーちゃんと中学ぶりに再会した古舘佑太郎さん演じるコウタが、もしも会話がぴたっと止まったら、あーちゃんの近況を聞かざるを得ない状況になってしまわないか、はたまた話題が中学のときに交通事故で亡くなってしまった伸二の話になってしまわないかと警戒し、相手に気を使わせないよう自分の近況ばかりを話すところや、被災地の女の子にiPodを貸す際、イヤホンのイヤーピースをTシャツの裾でささっと拭くシーン、伸二が中学生のときに着ていたTシャツを(ビニールに包まれハンガーがけしてあったので、クリーニングにまで出している?)大事にずっと着ている様子が印象的だった。

 また、物品や言葉、食べ物、音楽に触れた時、誰かとの思い出がゆらゆらと立ち込めてくることが象徴的に描かれていた。この映画の中で、コウタの演技はかなり幼い印象を受ける。しかし、あるきっかけで過去に思いを馳せるとき、コウタの表情はそれまでのあどけなさがすっと引いていく。このような意図した演技の緩急に引き込まれた。あーちゃんは、自然体だけどどこかその挙措にためらいや悲しみを帯びている。あーちゃんとまた同様に、コウタも伸二との別れを受け入れられず、周囲には極端に明るく振る舞うが、その持ち前の明るさと物思うシーンとが対照的で、極端な明るさはただならぬ悲しさの裏返しのように思えた。あーちゃんが「楽しいけど悲しいんだよ」、と後半コウタに伝えるシーンがあるが、本当はコウタもその感情に悩まされていたように思う。でもそれは絶対にあーちゃんには言わない。

 映画館を出てすぐのレンタサイクルのポートには自転車が一台もなかった。次に近いポートを目指して駅前まで歩く。駅前のポートで、一番型が新しそうな自転車を選んだら、自転車かごに誰かの携帯が残されていた。携帯を駅前の交番に持って向かう。交番はどなたも出払っていて、パトロールに出かけていたおまわりさんが帰ってくるのを待つ。戻ってこられたおまわりさんに指示され、拾得物件預かり書を書く。最後に預かり書の書類をもらって、手続きが完了するらしいのだけど、なかなか書類が出力できなくて、奥で担当の方がしばらく経っても出てこない。その間、ほかのおまわりさんが窓口に来てくれてもうすぐ終わりますからね、と言われながら雑談をした。警察官の募集が始まったから知り合いに興味がある人がいたら誘ってくださいという宣伝をされた。

 

7/6、新幹線で東京へ向かう。新幹線でも飛行機でも窓側の席に出来るだけ座りたいので、A席に座った。名古屋を過ぎたあたりからトイレに行きたくなるも、C席に座っておられる方が机を出しておやすみされておられたので我慢する。窓に置かれたセブンのアイスカフェラテを後悔の眼差しで見つめる。

 本屋さんに立ち寄る。無印のこの商品がおすすめみたいなムック本、無印のコンセプトなんか知ったこっちゃないと、これでもか言わんばかりに表紙に情報を詰め込んでいる。それに違和感を抱くことで、逆説的に無印のコンセプトが分かってくる。不思議。

 お昼前に母から電話がかかってくる。包丁のお礼の電話だった。軽くて切りやすいとのことだった。尾道で映画ボランティアをする話をした。こないだ松山に行ったときの話を覚えていて、今朝の『サワコの朝』のゲストは宮本信子さんだったよ、とも教えてくれた。母と土日の午前中に電話をすると、『サワコの朝』か『ボクらの時代』のゲストを必ずと言っていいほど教えてくれる。今度帰ったときにその話ができるよう僕もTVerで観ておく。そういう親子。あと、姉がドラマきっかけで読むと言っていたので、5月の帰省で持って帰ったよしながふみきのう何食べた?』を母がちょっとずつ読んでいるらしい。実家の元僕の部屋の勉強机の上の棚に置いている。今6巻とのこと。結構読んでて驚いた。そのあと新宿武蔵野館ポール・ダノワイルドライフ』を観た。

 夕方、渋谷WWWXでやっていた「カクバリズムpresents"夏の壮行会 vol.2"」に行った。片想いの曲は格好わるい格好よさがどの曲にもあって大好き。「Party kills me(パーティーに殺される!)」の2番終わりの歌割りの良さを今回のライブで改めて実感した。シンさん伴瀬さんイッシーさんあだちさんオラリーさんの流れがいつ聴いてもグッとくる。「2019年のサヨナラ(リリーへ)」を聴いて、祖父のことを思い出した。

 ユニクロで売っているコットンツイルキャップがお気に入りで秋冬物が新しく発売されていた。春夏ものと秋冬ものでは、後ろのアジャスターと帽子内側の布地が若干違う。秋冬物だとアジャスターが革になっていて、4つ穴が施されてている。僕は頭が大きいので、できれば穴じゃなくて、春夏もののように限界までサイズを大きくできる穴なしのアジャスターだと嬉しい。黒いキャップは春夏ものにはなかったので、ちょっと欲しかったけど諦めた。

 

7/7、朝、浅草のスタバでカフェラテとチョコチャンクスコーンを食べる。カフェラテとなにかフードを一緒に頼むとき、近藤聡乃A子さんの恋人』だったかな、カフェラテとミルクビスケットの組み合わせがおいしいというようなことをさらっと描いてた話を思い出す。

 昨日好きだった人のインスタのストーリーが投稿されてるマークを見て、足跡がつくので見はしないけど、投稿するようなこと、んーなんだろう、とその日のイベントを自分のツイッターなどから推察して、スカートのライブかなと思っていたら、今朝、ストーリーとは別に、スカートのライブに行ったことを投稿していた。実際そうだったときの、なんというか、なんというか。こういうとき、頭の中では、お前マジそういう詮索やめろよと言っている自分もいる。やめたい。

 移動中、朝の歯磨きで磨きが甘かった前歯の裏側が気になる。

 『アグレッシブ烈子 シーズン2』の配信開始からもうすぐ1ヶ月が経つというところで、烈子のInstagramアカウントが更新され始める。烈子母からの服や、休日返上で作った焼きそばが投稿されている。視聴者の足並みが揃ったタイミングでという配慮に、きゅんとした。王様のブランチ時代の放送は観ておらず、Netflixオリジナルシリーズからアグレッシブ烈子を観始めたが、キャラクターがみな魅力的で、群像劇として最終的には登場人物全員を応援してしまう、すごいアニメだと思う。

 第1シーズンではどこか近寄りがたい角田さんの側面を烈子が知り、一見強く生きているように見えるものはそう割り切るよう努めていることを知る。このエピソードが加わることで、角田さんやはじめそれまで表面的でおべっかのように見えたシーンがみな闘っているように見え始める。そう見え始めると、どのシーンもどのキャラクターにも目が離せなくなってしまう。第2シーズンでは、中盤からカバ恵さんの魅力が爆発。個人的には教習所の受付パピヨンお姉さんさえも、キャラクターの細部をきちんと考えて作っているところが好きだ。こないだ自宅のトイレで、只野くんから烈っちゃんって呼ばれる烈子の気持ちをふいに知りたくて、烈っちゃん、と口に出したら、すごいいい響きでクゥ〜ってなった。烈っちゃんと馴れ馴れしく呼んでくる只野くんはずるい。

 上半期で一番好きな歌詞は「俺は俺にモテたいからやってるよ」だと思う。VaVaさんの「Pac man」という曲。

 関根麻里さんがパーソナリティを務めるラジオ番組のbayFMKUSU KUSU』、二週にわたって阿佐ヶ谷姉妹がゲストで面白かった。カード会社から電話でリボルビング払いを勧められて、美穂さんがすごいもやもやしたというエピソードを絵里子さんが関根麻里さんにしていて和んだ。こういうラジオをずっと聴いていたい。ちなみに美穂さんのリクエスト曲は松平健マツケンサンバⅡ」。

 『ストレンジャー・シングス』シーズン3をちょっとずつ観ている。ダスティンが言う「Now that you're out of high school, which means you're technically an adult, don't you think it's time you move on from primitive constructs such as popularity?(高校卒業して大人になったなら評判以外のことで人を見ろよ)」というセリフが格好よかった。

 ちゃんみなさんのラジオでEllie GouldingLove Me Like You Do」をふいに聴く。この曲の2番サビ2:06部分で挿入されるLike You doooo〜♪という相の手をいつも歌うなり、口ずさむなりしてしまう。マライアキャリー「All I Want For Christmas Is You」のえな~〜と同じ。つい歌ってしまう。

 紙資源のゴミを紐でくくるのが面倒くさいので、うちでは無印でもらう紙袋に詰めて出している。最近無印がマイバッグ推進を進めている手前、紙袋が貰えそうな商品を購入しても、マイバッグお持ちですか?と聴かれるとそっちに負けてしまう。おかげでずっと前から家の紙資源を入れる袋がパンパンになっている。

 そう言えば無事滝口悠生『高架線』を読み終えた。

 今日は純一さんが子供の頃に住んでいたアパートが取り壊されるのを見に来た。私には何の縁もなかった建物だけれど、自分の結婚する相手が生まれて間もない頃にそこで育ったと思うと、その建物や、その時間がなければ今の自分も、お腹の子どももいなかったのだと思うと、今自分が見たり、考えていることのずっと遠くにあって思い及ばないものが、いつかこの先自分とつながることもあるのだと思えて、不思議だ。滝口悠生『高架線』より

 ツタヤでレンタルしたはらだ『ワンルームエンジェル』を読んだ。レンタルコミックは、特集コーナーじゃないところだといつ発売したかがわからないし、人気がどうかも一部のコーナーを除いてはわからなくなるのがいいなと思う。臨死体験をした主人公の前に現れた天使との話。スケベなシーンこそないものの、スケベを感じさせるカットがふいに挿入されたり、セリフでスケベを感じるものがあって、面白かった。

 『封神演義』を約1ヶ月ぶりくらいに借りたら、第1ページ目のあらすじから頭のはてなが消えない。どういう展開でこうなったのかさっぱり思い出せない。間が空くとすっかり内容を忘れてしまう。レンタルコミックでは、『結界師』や『境界のRINNE』を何度かレンタルしているのだけど、途中で展開が大きく動いたタイミングでなんだかついていけなくなって、次巻へ向かう熱量が薄れ、でも久しぶりに借りてみようかなとしばらくたってレンタルした頃には、同じように1ページ目でこの展開は一体どうしたと思ったり、そもそも何巻まで自分が読んだかが思い出せなくなる。

 今月の『&Premium』を読んだ。ひとりの時間は大切です特集。ヒャダインさんのページで、Q1.いつ、ひとりの時間を作っていますかという質問に対し、A1.つねにひとりです!と返すヒャダインさんが好きだなと思った。

 NHKラジオ『すっぴん!』高橋源一郎さんがパーソナリティを務める金曜日の放送をらじるらじるで聴く。オープニングトークでは、中学三年生の息子さんが映画やアニメに熱中している話からこんなことを話していた。

 僕も中学から高校にかけて映画少年でした。年に200本とか観てね。もう本当にこう映画観るのが楽しかったんです。まあそんときは本も読んだし。えーと、まあコンサートって今ライブにも行ったりしてね。いつ勉強してたんだろうか。でもね、今思ったんですけど、中学高校のころっていうのは、まだ自分が何かを表現してるとしても、何表現していいのかわからないって人が多いんですね。あのー、最初から音楽やりたいっていう人はいるかもしれないけど。最初に行くのはね、なんかね見ちゃうんですね。なんか吸収することが表現、なんですよ、その頃は。ただ、だからまだ僕もそうでしたが、自分が何者でもないんだけれども、何者かになるために、ものすごく色んなものに興味を持って、特に自分が気に入ったものを集中的に見る。それが映画だったり、本だったり、アニメだったりするんですね。ああ多分そう言う時期なのかっていう風に思いました。

 家に帰ると玄関からウサギ小屋みたいなにおいがする。もっと正確に言うと、キャベツが放置されているようなにおい。毎回帰るたびにこのにおいに迎えられるのは嫌だなと思い、セブンで消臭ビーズを買って、玄関の下駄箱の中に入れた。

 寝る前に、豚肉、トマト、ズッキーニ、おくら、大葉のマリネとズッキーニ単品のマリネ、なすのマリネを作った。乱切りもふんわりとラップをかけるも何が正解かいつまでもわからない。時計を見たら25時。寝る。