【雑記】それでは息がつまるので

 

6/10、仕事終わりにK野さんと晩ごはんを食べる。入店すると店内では大橋トリオさんの曲が流れていて、「大橋トリオが流れるお店はおいしい」というようなことをK野さんがおっしゃっていた。それがどこか誰も傷つけない笑いで面白かったのだけど、それを伝えるちょうどいい感じの機会を逃してしまった。この日行ったのはパスタのお店で、コブサラダという贅沢なサラダとバゲットピザがついたパスタのセットを食べた。僕が選んだバゲットピザはゴルゴンゾーラチーズが使われており、隠し味に酒粕が使ってあるような風味がした。組み合わせが新鮮で特に美味しかった。

 ご飯を食べた後はファミレスに移動して、ドリンクバーを頼んで、だらだらとしゃべった。最近K野さんとは本の貸し借りを細々続けていて、こないだは高松美咲さん『スキップとローファー』(1)と田島列島さん『水は海に向かって流れる』(1)を貸した。今回は荻上チキさんとヨシタケシンスケさんの共著『みらいめがね』を貸して、K野さんからはジェーン・スーさん『私がオバさんになったよ』を貸してもらった。

 家に帰ってTBSラジオ『荻上チキ Session22』をタイムフリーで追いかけながら聴くと、オープニングトークで『アラジン』の話をしていた。『アベンジャーズ:エンドゲーム』について公開時に番組で特集をした際、これから公開される『アラジン』について話題にあげた当時のことを振り返り、何かを上げる(褒める)時に比較対象として何かを下げる(貶す)必要はないし、まだ見ていないものをクサす必要はなかったとチキさんがちょっと反省した口調で話されていて、自分もそういうこと普段から気をつけてはいるけど、意識していても間違えてしまうときはあるので共感した。KICK THE CAN CREW「千%」のLITTLEさんのバースで「茶化したり したり顔でバカにしたり その本気を笑いにしたり 下に見たりしない」という好きなフレーズがあって、そのことも思い出した。

 

6/11、朝の排便がまたちょっと硬くなったので、お医者さんから出してもらっている軟便剤を飲んだ。お尻が痛いと原由子さん「じんじん」が頭の中で流れる。賑やかなトイレ。

 仕事終わりに5kmちょっと走った。この日のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』20時台の特集「ビヨンドザカルチャー」のストソン特集が面白かった。様々なお店のテーマソングを紹介するもので、その中でも特にドラッグストア・トモズの曲を聴いたときはその懐かしさに思わず声が出た。仙台で暮らしていた大学生の頃、最初の2年間住んでいた場所の最寄りのドラッグストアはサンモール一番町にあるトモズだった。

 21時前に実家に電話する。私の両親はどちらも携帯を持っていないので、連絡するときは自宅の固定電話に電話をかける。なんとなく21時以降に電話かけるのは申し訳ないと思っているので、電話してもいいのは21時までと自分の中でルールを決めている。母は漢検直前ということで、結構焦っているようだった。せっかく覚えたことが三歩歩いたらすとーんと抜けちゃうということを10分ちょっとの電話で少なくとも5回くらいは言っていた。

 

6/12、昨夜久しぶりに早く寝たので4時半前には目が覚めた。Creepy Nutsオールナイトニッポン0がまだ放送している時間だったのでお尻の方を聴いたらゲストの宇多丸さんは既に退室されていて、エンディングトークでリスナーが宇多丸さん退室時の挙動についていじっていた。昨日の夜寝る前に聴いていたT.V NOT JANUARY『ふつー』をもう一度改めて聴いた。優しい気持ちになれるアルバムで、その感覚は片想いのアルバムを聴いたときのものと似ていた。好きだった人に教えたくなったけどやめた。

 仕事中、先日アイロンで火傷した手首が目に入った職場の先輩から手首大丈夫?とちょっと含みのある感じで心配をされた。もごもごしながらこれはアイロンでってあれこれ言ったけど、むしろ疑念を深めてしまったかもしれない。相変わらず説明が下手だ。

 仕事終わりの帰り道にスーパーに寄ったら、夏ポテトが置かれていた。梅味のポテトチップスは様々なものがあるが、夏ポテトの梅味は特に好きで、毎年シーズンになると2回以上は買って食べている。梅味のポテトチップスで言えば、春くらいに食べていたチップスター紀州の梅味も美味しかった。今はきっと終売してると思うけど、また食べたい。

 テレビ朝日『マツコ有吉 かりそめ天国』がABCテレビ『相席食堂』みたいなシステムを導入していた。雑誌POPEYEの映画特集では、ぴあでみうらじゅんさんがやってる連載みたいなチラシ放談企画がされていた。ちょっと前の『久保みねヒャダ こじらせナイト』でお三方が指摘していたテレビ朝日『ポツンと一軒家』のジェネリック番組ができてるという話題を思い出した。

 夜中トイレで目がさめる。冷蔵庫のヴーンという駆動音を最近よく聴く気がする。6年目の冷蔵庫。家電を買い替えるのタイミングってどのくらいなのか分からないので、ついつい人に経験談を聞いてしまう。

 

6/13、有吉さんのラジオでサカナクション「忘れらないの」を聴いて以来、気に入って聴いている。まだストリーミング配信はされていないようで、radikoで「忘れられないの」と検索して、どこかのラジオ番組でオンエアされたものをあちこちジャンプして聴く。J-WAVEの早朝に放送しているものだとラストサビ前くらいまで聴けることに気づく。好きだった人にもこの曲素敵なのでリリースされたら聴いてみてくださいとおすすめしたいけど、こういう押し付けにうんざりされてしまったのだろうし、タイトルがタイトルだけに思ってもいない言外の意味が伝わってしまいそうで、伝えられずにいる。先日のT.V. NOT JANUARYもだが、そういうことが少しは減ったきたものの依然としてある。

 柴崎さんの本を続けて読んでいる。

 いやいやいや、わたしは、なんていうか、何か言って変えようって気力がないというか。たとえば、えーっと、道路のほうにはみ出してどーんと伸びてる木があって通りにくくても、その木にどうにかしろって注意したり、家の人にあの木がひどくてってずっと言ってても、エネルギー消費するだけだなって考えてしまうんですよね。別の道通ればいいし、木もなんだかこんな感じに伸びてしまったんだから仕方ないなって、そういう感じです。(柴崎友香『わたしがいなかった街で』より)

 この日は寝る前に滝口悠生さん『高架線』を久しぶりに読んだ。

 彼女が最後に送ってきた写真こそ嘘だと私は思った。男性であるという告白が嘘だと言うのではなく、ふだん彼女がどんな格好でどんなふうに過ごしているのか知らないが、あれは彼女の本当の自己像ではないはずで、その装いも飾りもすべて剥がした姿を、敢えて彼女は私に送りつけてきたのではないか。彼女に胸の大きさや、性体験を訊きたてた私は残酷だったろうか。そうだったかもしれないし、けれど、おそらく自分が思い描く本当の自分だったのかもしれず、そんなものは嘘も本当もないと言えばそれまでで、本当なんて思い込みに過ぎないが、そうやって私と彼女が感じていた本当らしさが、私の実感や、あの手紙のやりとりをしている間きっとたしかに私が感じていた恋愛の幸福、その後あっさり冷めてしまったけれどたしかにあったと今も信じられる嘘ではない恋愛の感触を、支えてくれているのではないか。

 しかしこのようにはっきりしないことを言葉にして説明してしまえば、やっぱりどんどん嘘くさくなる。語れば語るほど、理屈らしくなって、理屈らしくなればなるほど、理屈で反論するのが簡単になって、本当らしさが削がれていく。だから、あんまりしゃべりたくないんだけど、しゃべらないわけにはいかない。(滝口悠生『高架線』より)

 

6/14、街中で知らない誰かとすれ違うときに何気なく聞こえる言葉ってそれほど多くはないけどなぜか耳に残ったりする。今日はその瞬間の言葉が「あの人のインスタの裏垢が~」だった。こういう話題は出来るだけ耳に入らないようにしたい。

 職場の飲み会を一次会で抜け出し、F・ゲイリー・グレイ『メン・イン・ブラック:インターナショナル』を観た。オリジナルシリーズからの価値観をアップデートした部分はあったように思うが、起承転結にそれほど大きな起伏がなくて、特に転の部分がすごく控えめだった。テッサ・トンプソン演じるMが「女性はみんなクイーンよ」というようなことを言っていて、格好良かった。映画終わりに建物を出ると雨が降っていて、飲み会の会場に傘を忘れてしまったことに気づいて取りに戻る。雨が降ってないときでも傘のことを思えるようにならないといけないっていうのを、もうちょっと一般的な事柄や人間関係に拡大して考えて、勝手に落ち込んだ。

 

6/15、実家に帰省。母が用意してくれていた晩御飯は炒飯、炒飯の具材が余ったので使いまわしたというみそ汁、ポテトサラダ、レタス、プチトマト、カレイの焼いたの、白いかのお刺身、きんぴら(白いかの足はここに活用してある)、すいか、ぜんざい。全部美味しかった。おかずを食べてはおいしいと口にする私に母は得意そうに調理時の話をしてくれた。

 少し前に元自分の部屋の照明がLEDに変わった。常夜灯もLEDになったようで依然と比べて明るくて気になる。

 

6/16、 母と漢検終わりに、割引券が二人分あるからと言われ、ちよ志にお昼ご飯を食べに行った。車での移動中、中学校の卒業式のあとにどこかにお昼ご飯を食べに行こうと父が言って、両親と僕の3人で連れて行ってくれたご飯どころがパチンコ屋に併設してあるお店で、うどんとたらこ乗せご飯を食べたことが恥ずかしかったけど嬉しかったという話を母にしてしまった。母もそのときのことを覚えていたようで、あれはないよな~もっといいところ連れてってくれたらよかったのに~と笑っていた。僕も笑った。母がずっとちよ志のことをちむらと言い間違えていて、なんでちむらって言い間違えちゃうだろう~と自問自答していた。ちよ志から家に帰る道中にちむらは鳥取にあるちくわ屋さんだとハッと思い出したらしく、一人で納得していた。本当はちよ志じゃなくていくつか母と行きたいところがあってそこに一緒に行きたかったと話したら、じゃあ今度連れて行ってと言っていた。

 家に帰ってちょっと休憩してから、母と祖母と出かけて、だいぶソールがすり減っている祖母の靴を新調しに行った。

 夕方鳥取でずっとお会いしたいと思っていた方とご飯を食べた。鳥取駅前で蕎麦を食べて、移動して喫茶店でかき氷を食べた。私は人が好きなものを聞くのが好きなのだが、好きな菓子パンについて話をした。菓子パンはパッと思い浮かばないけど、パン屋さんの塩パンが好きだという話をしていた。その方と別れたあとに、よく食べる菓子パンを思い出されたようで、ファミマの濃厚ミルクフランスが美味しいと後から教えてくれた。

 

6/17、午前中、昨日撮った祖母と母の写真の現像をする。お昼ごはんを作るためにスーパーに寄ったら、売り場の店員さんと調理部門の店員さんが明日あるらしい健康診断について楽しそうに話していて、平日午前中のスーパーの居心地の良さを感じた。お昼にはきんぴらごぼう、ひじき煮、カレーを作った。帰り際に現像した写真を祖母とお昼休憩で職場から一時帰宅した母に渡した。祖母は昨日靴を買いに行ったことが昨日よりも少し遠い昔のように感じていたようで、写真をまじまじと見つめていた。

 実家から岡山へ戻る帰り道、ローソンでアイスカフェラテを買った。おいしい。店員さんが宮本信子さんみたいな溌剌とされた方で、ローソンがひよっこのすずふり亭のように思えた。アイス、ワン。

 夕方、歯医者で定期検診をしてもらった。行くたびにミュージカル系の楽曲がBGMに流れてる歯医者さん、前々回は『グレイテストショーマン』のサントラ、前回は『アリー/スター誕生』のサントラだったので、今回は『アラジン』のサントラかなと予想していたら、『アリー/スター誕生』のサントラが変わらず流れていた。数ヶ月に1度しか訪れる機会がないので、ローテーションは分からないけど、仮に毎日流れていたとしたら、なんとしても映画を観たくなりそうだと思った。

 検診中、下唇の裏にある口内炎の存在に気づかれて、恥ずかしかった。口内炎の治し方を伺ったところ、睡眠が一番の薬ですね、と言われた。ビタミンを摂ったりすることももちろん大事らしいけど、とりあえずしっかり寝ることを勧められた。ここ2回の定期検診は3ヶ月おきにと言われていたが、上手に歯磨きできているので次から4ヶ月に一度でいいですよ~と言われたのが、嬉しかった。

 この日家に帰ってから、SNSばっかり見ていた。見ているのに見ていないふりをするのが疲れるので、絶賛見てるぜー!か、携帯を気にせず過ごすかのどっちかにしたいができていない。格好つけたくない。