【雑記】祖父母の部屋の整理

 母から職場の人に渡してと言われせっかく持たせてもらった地元のお菓子・宝製菓の「大風呂敷」を一人夜中に少しずつ食べている。週明けに職場へおみやげを持っていくのがベストタイミングだということを頭では分かっているのに、月曜日に持っていくのをうっかり忘れてしまった。そうなってしまうと週の半ばに「週末帰省してて〜」と言い出しお土産を配るのがどんどん億劫になってしまう。さらっと言いだすのが本当に難しい。結局ずるずると自宅で一人大風呂敷二箱分をちびちび食べている始末。

 先月、祖父の新盆で帰省した際、祖父母の部屋を掃除した。葬儀の前後で多少は遺品整理をしたものの、部屋には祖父の衣類、日記帳、捨てられずにいたものがまだまだ残されていた。祖父に似てしまったのか、なんだか捨てるにはもったいないと感じてしまい祖父の衣類を少しずつ貰って着ている。黄土色の半纏は特にお気に入り。祖父の日記はいつ読んでも元気をもらう。実家で暮らしていたときは、お風呂を上がったら祖父母の部屋に行って次にお風呂に入ってもらうよう声かけをしたり、二階の寝室に上がる前におやすみと一声かけたりしていた。その時に、祖父が机に向かって日記をつけていた光景はたぶんこれからも忘れないと思う。

 今回整理したものの中には、祖父が70〜80代になって同級生と行った旅行のしおりのようなものも沢山残されていた。しおりには名簿がついており、同級生の氏名、生年月日、住所などが記載されていた。その中の項目の一つとして備考欄も設けられており、死去と印字されている人がその名簿の半数を占めていた。加えて、その旅行で集合して初めて新たに亡くなった人が分かったのか、手書きで死去と書き加えられているものもあった。世の無常と同級生で集まって友人が亡くなったことを確認しあう旅行を思い、なんとも言えない気持ちになった。

 気軽に話せる相手がおらず、手持ち無沙汰で寂しそうな祖母の姿を帰省する度見るといつももどかしく思う。帰省した際は今でも風呂上がりや寝る前に祖母の部屋を訪ねて声をかけるのだが、テレビの音が大きいのにもどこか悲しい気持ちになる。祖母が家で生活するにあたって少しでも退屈な気持ちや寂しい思いが和らぐよう、自分ができることは何があるか考えて、今回の整理でたくさん出てきた祖父母の旅行写真をアルバムにまとめることにした。それと祖母へ仕事のことなどを手紙に書いてこまめに渡そうと決めた。今度は彼岸に帰省する予定なので、それまでに今食べてしまっている大風呂敷のことや仕事でもやもやしてしまうことなどを手紙に書いてみようと思う。